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2013/05/23

第13-001号 2006年海事労働条約(MLC)の発効(その2)

| by:cad
第13-001号
2013年05月23日
外航組合員各位     


2006年海事労働条約(MLC)の発効(その2)


題記の件に関し、2013年3月6日付特別回報第12-030号をご参照下さい。MLCの発効が近づくにつれ、とりわけMLCで規定されている金銭上の保証について注目が高まっています。


2013年8月のMLCの発効とともに適用される金銭上の保証に対するガイダンスとして以下ご案内申し上げます。


船主が求められる金銭上の保証


第2.5 基準 (規範A) – 送還


当該基準及び付随するガイドラインは、船員が自己負担なく送還されることを規定しており、船員が送還される権利を有する状況の概要を示し、基準に規定される責任をカバーする金銭上の保証の手配を船主に要求しています。船主が金銭上の保証要求を遵守できるよう、国際P&Iグループ(IG)加盟全13クラブは、船主破産の場合及びその他のMLCで船員の送還が規定される状況における送還費用をカバーすべく標準カバーの範囲を拡大することを決定しています。


当該基準は船員の未払い賃金については規定していません。遺棄の際の未払い賃金は2009年に国際労働機関(ILO)で合意された原則の特徴ですが、当該原則は現時点では適用されず、MLCでは未払い賃金に対して保険カバーによる金銭上の保証を提供する義務は規定していません。ILO原則は更なる協議の対象とされており、ILOは2014年4月の会合で協議する予定です。当該原則がILOで検討され、最終結論が出て、MLC締約国で実施されるまでには数年かかるものと思われます。現在のところ、未払い賃金についてはMLCで規定されておらず、未払い賃金に対して金銭上の保証を提供する義務はありません。

第4.2 規則- 船主責任(疾病、負傷、死亡)


MLCは、締約国籍船上の船員が、国内法、船員の雇用契約、団体交渉協約に規定される職業上の負傷、疾病、障害による死亡もしくは後遺障害を被った場合に補償を受ける権利を確保することを締約国に義務付けており、当該補償に対する金銭上の保証を手配することを規定しています。基本的にこれら死亡/後遺障害クレームは、クラブのルールに基づき提供されている標準カバーで既にカバーされています。

第1.4 基準 - 募集及び職業紹介

MLCでは船員のリクルートに対する金銭上の保証の提供を船主に義務づけてはいません。MLCは条約締約国に対して一定の義務を課しており、船員のリクルートや配乗に関与する業者は特別なライセンスが必要になる可能性がありますが、それは条約を施行する際に各締約国が検討する事項です。

第2.2 基準 – 賃金

MLCは、船員への未払い賃金に対する金銭上の保証を手配する義務を船主に課してはいません。但し、MLCは締約国に対して船員が雇用契約に従い支払いを受けられるようにする義務を課しています。船員賃金の支払い義務は、各締約国の国内法に導入される可能性が高いと思われます。


金銭上の保証の証拠として保険契約承諾証の受け入れ


IGは、船主の金銭上の保証の証拠としてIGクラブの保険契約承諾証が受け入れられるかどうか確認するためにMLC締約各国の当局と定期的にコンタクトを取っています。現在までに13か国から保険契約承諾証を受け入れる旨確認しており、その他の各国はMLC施行のための国内法の整備に際してこの点について検討しています。今のところ保険契約承諾証の受け入れを拒否している国はありません。保険契約承諾証の受け入れを表明した締約国の最新リストをご希望の際は当組合までご連絡下さい。


国際P&Iグループのすべてのクラブが同様の内容の回章を発行しています。

以上




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