契約担当

船上での経験を生かし、組織力で海運を支えていく

Message01

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現場の経験を生かし、組合員に寄り添いたい

私は幼少期から乗り物と自然が好きでした。特に大気と海洋の2つの自然の影響を受けて走る船は、その船体の大きさを含め、強く興味を持っていました。高校在学中に将来の進路を考えた時、幼少期から憧れた船で働くことを目指し、商船系大学に進学しました。

大学卒業後は、航海士として約9年間海上で勤務しました。航海士の仕事内容は、操船はもちろんのこと、ウェザールーティング*/保守整備/乗組員教育/衛生管理/環境保護/法令順守/安全管理/保安/荷役など多岐に渡り、「船を止めない」ために必要なこと全てが含まれています。一方、船を取り巻く不確定要素は、自然だけでなく、ヒューマンファクター・世界情勢・予測困難な機器故障などさまざまです。万全の対策を行っていても、これらの要素をゼロにすることはできません。「エラーチェーン」という言葉があるように、複数の不確定要素がタイミング悪く複雑に作用し合った結果、既存のチェック体制・バックアップ体制をすり抜け、事故につながることがあります。

私自身もこのようなリスクを幾度も経験してきた中で、海運業界を支えているP&Iクラブの存在を知り、興味を持つようになりました。巨額の海難事故にも対応できる機能を擁した国際P&Iグループにアジアで唯一加盟し、日本に本拠地を置く当組合の存在は、海運業界にとって必要不可欠なものと気づき、その使命に惹かれ、入社を決めました。

* 船が安全かつ効率的に航行できるように気象情報や海象情報に基づいて最適な航路を選定すること

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『海事都市』今治への憧れと、やりがい

海運業界に携わる者として、世界でも類を見ないほど海事産業が集積する海事都市「今治」で働くことは、かなえたい一つの憧れでした。

今治の多くの組合員は、ご意見・ご要望として良いことも悪いことも本音で伝えてくださるので、ありがたいと感じています。また、対面でのお打ち合わせにも快く応じてくださるため、電話やメールのみならず、出来る限り訪問し、直接コミュニケーションをとるように心掛けています。また、ここでは、経営に携わる社長ご自身や、主要な役員の方と直接お話しする機会にも恵まれています。こうしたコミュニケーションの中で、組合員の皆さまが船への強い愛着を持って日々取り組まれていることを肌で感じています。

例えば、ある組合員は、膨大な工事項目リストを手に、どの部分にどれだけの費用を費やして修繕したか、自らタンクに潜って確認したなど、楽しそうにお話しされていました。

私も船員だった頃に、資材が限られた洋上で船体や機械はもちろんのこと、ロープ・ワイヤー、短くなった鉛筆も最後まで使い切るのが当たり前の環境でしたので、船や物を大切にする文化を船主の方々と共有することができて大変うれしく思いますし、現在はP&I保険者という立場から、皆さまの大切な船に関われることに、強いやりがいを感じています。

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組織力を高め、チームワークで解決していく

日々変化する世界情勢と各国の法律や規則のもと、船舶がさらされるリスクはより多様化しています。そのような環境下の組合員に、安心していただけるサービスをお届けするためには、膨大な知識量と経験が必要とされます。

私たち担当者は、一人一人が習得している専門知識と経験を組織として集約して共有し、日々、組織力の向上に努めています。例えば、対応が非常に難しい事案などがあれば、チームで知見を共有し最適な解決方法を考えます。時には損害調査部員と組合員の元に出向き、打合せを行うこともあります。社内のみならず、世界の主要港に任命しているコレスポンデンツや弁護士との連携など、あらゆる角度からの組合員へのサポート体制が整っています。

私自身は、前職からの経験により、1本のメールからでも船上での緊張感・空気感といった現場の様子を想像し、共感しながら対応できることが強みだと考えています。こうした経験とこれまでの知識も生かしながら、チームワークで、組合員の皆さまに貢献したいと願っています。

Message04

Slow is smooth, smooth is fast.

“Slow is smooth, smooth is fast.”は、私が常に心がけていることです。

船乗りの格言である「頭より先に船を走らせるな(行動よりまず思考)」とも共通点のある言葉です。緊急時に慌てて行動してしまうと何らかのミスにつながり、かえって遅くなってしまう。何かあった時こそ、よく考えてスムーズに行動すれば、それが結局は、一番早いという意味です。

この言葉は、前職でお世話になったイギリス海軍出身の教官から緊急事態対応のポイントとして教わりました。P&I保険を取り扱う者として、限られた時間の中でも十分考え、組合員の利益を守るための行動を心掛けています。

かつての航海士から、現在のP&I保険者へと立場は変わりましたが、海運業界のために尽くしたいという気持ちは今も変わっていません。これからも船上での経験を生かしつつ、この今治の地から皆さまの安心安全に資するサービスを提供してまいります。