損害調査担当
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私は造船・海運の町として知られる愛媛県今治市で生まれ育ちました。当組合は、地元の今治にも拠点を置き、かつ、国境を超えたグローバルな仕事ができる職場であることに強く魅力を感じました。当時、新卒採用の募集は行なっていませんでしたが、今治支部へ直接電話をかけ、採用面接を実施してもらいました。
入社後は、東京本部の損害調査部に配属されました。損害調査部とは、海上や港湾内で起きた事故の損害調査および保険金支払いを行う部署です。東京本部での約2年間の勤務を経て、現在は今治支部の損害調査チームで働いています。
Message02
損害調査の仕事は、事故発生時から解決まで、多種多様なケースにおいて組合員の利益保護と損害の軽減のために必要な対応をする仕事です。ひとたび事故が発生すると、事故状況の調査のほか、必要に応じて過去の類似事案等も調べ、関連する法律と契約内容に基づいて、組合員の利益を最大限守るための道筋をご提案します。どのような点にご不安を持たれているのか、どのようにご説明したら分かりやすいか、組合員の皆さまにご安心いただけるよう適時に、きめ細やかな対応を心掛けています。例えば、事故が原因で運航スケジュールの遅延や船舶の差し押さえが発生する一刻を争うような案件では、事態を回避するためのご提案や、保証状発行手配などを迅速に行います。組合員を支援する仕事は責任も重大ですが、満足いただける結果を目指し、日々対応しています。
複雑な案件が発生した時には、チームで協議したり、シニアスペシャリストと呼ばれる損害調査について高度な知識と経験をもった職員に相談することもあります。こうした体制が、当組合の高品質なクレームサービスの提供につながっています。また、長い歴史の中で諸先輩方によって蓄積されたノウハウを継承していることも、当組合の強みとなっています。
Message03
事故は日本国内だけではなく、世界中どこの海でも発生します。組合員から事故発生の連絡を受けると、私たちクレームハンドラー(損害調査員)は、世界の主要港にいる現地のコレスポンデンツ(損害調査の代理事務所)を任命し、事故調査を依頼します。事故状況をいち早く把握し、最善の解決に向けた迅速な対応が事故の処理には求められます。組合員、事故関係者、コレスポンデンツ、弁護士、エキスパートなどと連携しながら、組合員の最大限の利益保護と損害の軽減を考えて、最適解を導き出します。
このような世界のプロフェッショナルと連携して働くことが、クレームハンドリングの専門性を高め、より良いクレームサービスにつながっています。
Message04
この業界にいざ飛びこんだ時は、「海運業」という物流インフラがいかに世界経済に重要な役割を果たしているかを改めて認識しました。特に、ここ今治は船主会社の数が突出して多く、日々の業務において海運業の重要性を感じさせる地域です。その分、多様で複雑な問い合わせが多く、リスク管理にかける船主の皆さんの思いの強さが伝わってきます。迅速な対応が必要な場合もあれば、時間をかけて交渉を重ねるべき場合もあります。船舶はひとたび航海に出ると、座礁や衝突などの典型的な海難事故のほか、海賊や戦争等のリスクにまで向き合わざるを得ません。P&I保険を通じて、船に関わる安心・安全を担う仕事に大きな責任とやりがいを感じています。
損害調査業務は、知識、経験だけではなく組合員から信頼いただくことが何よりも重要です。これからも、組合員へ質の高い細やかなサポートを提供するために、日々精進していきたいと思っています。