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ニュース

トルコ-海洋汚染規制強化と高額過怠金についての更新情報(2026年料率)

2025/12/17 No.1339

2025年8月4日付Japan P&I News No.1320でご案内しました、トルコ当局が科す海洋汚染に関する高額な過怠金について、2026年1月1日から適用となる、新たな料率についてお知らせします。トルコ水域を航行・作業する船舶は、海洋汚染防止のため、以下の点に十分ご留意ください。

 

トルコの過怠金制度の特徴

トルコの過怠金制度は、海洋汚染物質の種類や流出量ではなく、流出させた船舶の総トン数に基づいて基準額が決定される点が、他国と大きく異なります。また、毎年基準となる料率は増額されており、2026年1月1日からは、2025年の料率から約25%も増加しています。

 

2026年の料率は以下のとおりとなります。

船種および汚染物質 Gross Tonnage 過怠金額
タンカーによる石油および石油製品の海上流出 1,000総トンまで (a) 1トン当たりTL5,752.34
1,001総トンから
5,000総トンまで
(b) (a)に加えて
1トン当たりTL1,438.13
5,000総トン超 (a)、(b)に加えて
1トン当たりTL143.75
タンカーによるダーティバラストの海上流出 1,000総トンまで (a) 1トン当たりTL1,048.03
1,001総トンから
5,000総トンまで
(b) (a)に加えて
1トン当たりTL209.08
5,000総トン超 (a)、(b)に加えて
1トン当たりTL33.18
船舶およびその他の海上輸送手段による石油製品ならびにダーティバラストの海上流出 1,000総トンまで (a) 1トン当たりTL2,876.16
1,001総トンから
5,000総トンまで
(b) (a)に加えて
1トン当たりTL575.25
5,000総トン超 (a)、(b)に加えて
1トン当たりTL143.75
船舶およびその他の海上輸送手段による廃棄物および排水の海上流出 1,000総トンまで (a) 1トン当たりTL1,438.24
1,001総トンから
5,000総トンまで
(b) (a)に加えて
1トン当たりTL287.64
5,000総トン超 (a)、(b)に加えて
1トン当たりTL33.18

 

上述の料率は、船舶の総トン数に応じた基本的な過怠金額であり、最終的に決定される金額ではありません。最終的な過怠金が決定されるには、事案の内容により以下の要素が加味されます。

 

①危険物質を含む場合:基準額の10倍
②流出地点が環境保護区(イスタンブール海峡、チャナッカレ海峡、イズミット湾含むマルマラ海 全域)に該当する場合:基準額の2倍
③法人所有の船舶が流出させた場合:基準額の3倍

 

しかしながら、トルコの主要港は環境保護区域内に位置し、外航船のほとんどが法人所有であることから、少なくとも基準額の6倍(上記②および③)に相当する過怠金が常に科されることとなり、加えて危険物質を含む(上記①)と判断された場合には、最大60倍もの過怠金が適用される可能性があります。

 

実務上の手順

海洋汚濁物質を排出した場合、船舶の出港前にトルコ当局に対して、30日以内に暫定的な過怠金額の支払を保証するトルコ当局の意向に沿った文言の保証状の差入が必須となります。過怠金を送金次第、保証状の返却を要求し回収することができます。

 

過怠金額の正式な通知から30日以内に早期支払いを行うことで、25%の減額が適用されます。また、流出後に自発的に効果的な回収・清掃作業に努めた場合には、さらに過怠金額の1/3が減額されます。

 

 

詳細については、トルコのコレスポンデンツKalimbassieris Maritime A.S.から入手した添付資料をご参照ください。

 

また、最新の情報につきましては、現地代理店にお問い合わせください。