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白熱灯カーゴランプによるカーゴホールド内での木材火災

2018/11/30 No.996

2018年11月1日にニュージーランド運輸事故調査委員会(TAIC)は、積荷終了後の停泊中にカーゴホールドで発生した火災事故に関する報告書「MO-2017-205」を公表しました。TAICは、この事故で判明した「白熱灯のように、高温の輻射熱を発する照明によってもたらされる船舶安全に対する潜在的な危険性」について注意するよう促しています。

 

事故概要

2017年9月、多目的コンテナ船がニュージーランド(NZ)タウランガ港で材木の積荷をした。積荷完了して1.5時間後に、火災警報が作動したため、本船乗組員は、固定式CO2消火システムを作動させ、CO2をカーゴホールドへ放出した。数時間経過し、温度が低下した後に、ハッチカバーは取り外された。明白な火災の兆候は発見されなかったため、詳細な調査のために材木は陸揚げされた。

事故調査によって、カーゴランプが材木の近くに設備されていて、荷役終了後に消灯されていなかったことが判明した。さらに、2018年4月にその検証実験が実施された。

 

事故調査で判明した重要な教訓

  • ランプの種類によって、かなりの輻射熱が発生し、火災を引き起こす危険がある。よって、船主および運航者は、火災の危険性がある箇所では、高温を発生しない種類のランプ設置を検討すべきである。(添付参照)
  • 安全管理システムへカーゴランプの電源オフなどの安全手順を文書化し、電源オフを確認するチェックリストを備える必要がある。

 

事故の詳細に関し、報告書「MO-2017-205」を以下URLよりご参照ください。

https://taic.org.nz/sites/default/files/inquiry/documents/MO-2017-205 Final.pdf