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『用船者責任保険特約』のおすすめ

2015/04/01

用船者の責任

OCEAN VICTORY号裁判では、定期用船契約上、用船者が負うべき義務の一つである安全港担保義務が主な争点となりました。

控訴審では用船者の責任は問われない判断となっておりますが、用船者には、船舶の運航に伴い発生した損害、費用について、法律上の責任(不法行為責任)のみならず用船契約などの契約上の義務違反について責任を負う可能性があります。

また、損害の種類は、貨物損傷、港湾施設の損傷、油濁損害や、船舶自体の損傷など広範囲に及び、時には巨額の賠償金を支払わなければならないこともあります。

このような用船者責任に関して、『用船者責任保険特約』において、「P&Iリスクカバー」や船体損害に対する用船者の賠償責任についての「船体損害リスクカバー」を提供しております。

『用船者責任保険特約』のてん補対象となる主な事例

〔P&Iリスク〕

  1. 荷主が受け取った貨物の損害について、用船者に賠償を求め、あるいは、荷主からの賠償請求を受けた船主が用船契約に基づき用船者へ責任の分担を求め、その貨物損害に対して用船者の補償責任が確定し支払った。
  2. 用船者が指示した寄港地で揚荷にあたり不当な貨物損傷クレームを受け、船主は荷主に賠償金を支払った。船主/用船者間の仲裁で、船主の賠償金支払いは配船港自体が原因であるとの裁定が出て、用船者は船主が負担した賠償金について補償を命じられ支払った。

    〔船体損害リスク〕

  3. 用船者が指定したバースは浚渫が不十分であり本船船底が海底に接触し損傷を受けたため、用船者は船主に本船の修繕費を賠償した。
  4. 用船者手配のステベドアのラフハンドリングによって貨物が本船ホールドに落下、損傷が発生し、その修理費用を用船者が支払った。

上記の他にも様々な事例の発生が考えられますが、用船者が責任を負う可能性のある損害の発生に備えて、『用船者責任保険特約』(「P&Iリスクカバー」と、拡張カバーとなる「船体損害リスクカバー」)を付けておかれることをおすすめいたします。