米国-舷梯の検査・保守および運用上の安全について
今般、米国沿岸警備隊(USCG)から、船舶の舷梯(げんてい)の接続部破損に起因する重大な転落事故を背景とした、舷梯の検査、保守、および運用上の安全に関するMarine Safety Alert 14-26が発行されましたのでご案内します。
本件は旅客船での事故を契機に発出されましたが、USCGが依拠する国際基準(IMO MSC.1/Circ.1331/Rev.1)は、全ての外航船に適用されるものです。舷梯の固定不良やワイヤー破断による重大な人身事故は船種を問わず発生しています。詳細につきましては、USCG Marine Safety Alert 14-26をご参照ください。
各船において、本件アラートに基づく点検項目や管理手順を一時的な実施にとどめることなく、日々の安全管理において点検の実効性を維持・向上させる仕組みを構築することが重要です。特にばら積み船やコンテナ船の現場では、岸壁のエプロン上の障害物やクレーンなどとの干渉を避けるため、岸壁に着地させずワイヤーなどでつり上げた状態で舷梯を使用する場面が多々ありますが、この状態は設備の破損や予期せぬ挙動が発生する可能性を著しく高めます。組合員および管理会社におかれましては、実践的な予防措置をSMS(安全管理システム)に組み込むことをお勧めいたします。
- リスク評価と二次的な支持手段の確実な導入
つり下げ状態で舷梯を使用する場合は、継続的かつ現実的で堅牢な危険特定およびリスク評価プロセスの対象とすることが重要です。一次的な接続が破損した場合に備え、巻き上げワイヤー以外の適切な二次的な支持手段の導入や、本船と岸壁の間の隙間に人が転落するのを防ぐため、適切に設置された安全ネットを配置の全長にわたって展開することが推奨されます。
- 作業前Toolbox Meetingを活用した安全確認と舷梯当直の徹底
現場での実効性を確保するため、作業前のToolbox Meetingなどで舷梯の適切な運用について継続的に確認を実施することが有効です。つり下げ状態の舷梯を使用する場合、潮の干満や通過船舶による動揺を考慮し、慎重な継続監視を行うとともに、必要に応じて調整を行える体制を整えておくことが望まれます。
- 計画的な保守管理と船内安全衛生委員会での共有(安全文化の醸成)
舷梯の構造部品や巻き上げ装置については、前回のワイヤー、ウインチ、および巻き上げ装置の荷重テストと検査からの経過時間を適切に管理することが推奨されます。本Safety Alertの内容を船内安全衛生委員会などで取り上げ、なぜその確認が必要なのかを乗組員全員で意見交換を行うなど、SMS上の手続きを単なる事務処理で終わらせず、船陸一体となった安全文化を醸成する機会としてご活用いただけますと幸いです。
当組合は、今後も事故防止に向けて、専門的知見を元に最新情報を提供してまいります。
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