米国-ガス検知設備およびガス測定手順における潜在的リスクについて
今般、米国沿岸警備隊(USCG)から、可燃性・有毒ガスを放出するおそれのある貨物(石炭等)を輸送するばら積み貨物船におけるガス検知設備およびガス測定手順の不備に関するMarine Safety Alert 13-26が発行されましたのでご案内します。
USCGは、石炭船での爆発事故調査などを背景に、不適切な校正ガスの使用、機器の校正未実施、誤ったレギュレーター(デマンド型の代わりに固定流量型を使用)の装着、および乗組員の操作習熟度不足などの欠陥が頻発していることを指摘しています。詳細につきましては、USCG Marine Safety Alert 13-26をご参照ください。
各船において、本件アラートで取り上げられている点検項目や管理手順を一時的な実施にとどめることなく、日々の安全管理において点検の実効性を維持・向上させる仕組みを構築することが重要となります。
- 次航打診時・確定時の迅速な陸上・船上の連携
ばら積み船等では、用船者やオペレーターから次航貨物の事前打診(Inquiry)を受けた段階で、船側および管理会社は予定貨物の危険性に応じた資材・機材(ガス検知器の作動状態、適合するスパンガスの種類・有効期限、メーカー指定のレギュレーター型式等)の適合性をあらかじめ確認することが重要です。万が一、事前の確認がないまま航海指示書(Voyage Instructions)を受領し、必要な資材・機材が不足または不適合である場合は、直ちに管理会社と連携の上、用船者やオペレーターとの協議・調整や陸上手配を通じ、積荷前に適切な資材・機材の準備・補給を確実に完了できる体制を整えることが推奨されます。
- 荷役前Toolbox Meetingを活用した教育(点検の実効性確保)
確認作業が形式的なものになってしまうのを防ぎ、現場での実効性を確保するため、荷役前のToolbox Meetingで実機を用いた教育を継続的に実施することが有効です。繰り返し実施することで乗組員の交代が生じた場合でも船内全体の習熟度を維持し、常に確実な点検を実行できる体制づくりにつながります。
- SMSでの管理と船内安全衛生委員会での共有(安全文化の醸成)
本Safety Alertの内容や、SMS(安全管理システム)に基づき定期共有している資材・機材リストを船内安全衛生委員会などで取り上げ、なぜその確認が必要なのかを乗組員全員で意見交換を行っていただくことが有効です。また、提出されたリストに対して陸上管理会社からも確認結果や手配状況をフィードバックするなど、SMS上の手続きを単なる事務処理で終わらせず、船陸一体となった安全に対する当事者意識(安全文化)を醸成する機会としてご活用いただけますと幸いです。
当組合は、今後も事故防止に向けて、専門的知見を元に最新情報を提供してまいります。
この記事に関するお問い合わせはこちら