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天津爆発事故及び汚染に関する米国海事局Advisory

2015/09/07 No.766
  • 外航

米国海事局(MARAD)は、天津における爆発事故に起因する有害物質による汚染に関するAdvisory 2015-02を発行しました。

 

2015年8月12日及び15日の惨事に伴い、船体及び貨物への有害な灰・堆積物・残存物の付着・混入が懸念されています。天津爆発事故における化学物質の全容は未だ判明していませんが、シアン化ナトリウム(UN1689)や炭化カルシウム(UN1402)を含む有害化学物質が倉庫に保管されていたと報道されています。爆発の規模と報道されている有害化学物質を勘案すると、爆発時に港湾付近にあった船舶や貨物は有害な粉塵・灰・堆積物に汚染された可能性があります。

 

上記状況において、米国沿岸警備隊(USCG)及び税関国境警備隊(CBP)は、2015年8月12日以降に天津港にあった米国向け貨物及び船舶をモニタリングしており、船舶はあらゆる異常・疾病・不審物等について付近のUSCG Captain of the Portに報告することが求められます。

 

米国のコレスポンデンツLamorte Burns & Co., Incによると、USCGとCBPは貨物・船倉・コンテナからサンプルを採取して検査するようなことは実施していないものの、貨物の汚染や船員の疾病等について米国諸港到着時に報告をするよう求めています。同報告を受け対応を検討する際に、USCGとCBPは爆発した倉庫と貨物の位置を考慮するようです。このような状況において、Lamorte Burns & Co., Incは、積荷役の際に貨物の中に異常な粉塵・堆積物・その他汚染物がないかどうか船員に注意してチェックさせるとともに、積荷役及び航海中に貨物に触れた船員の健康状態をモニタリングしておくことを勧めています。何らかの異常な汚染や船員の疾病が確認された場合には米国水域に入る前に出来るだけ速やかに米国当局に連絡すべきです。また、船長は積荷役時の天候・貨物・汚染していないことを確認するために取った措置等について米国到着時に米国当局から照会を受けた際に応えられるよう準備しておく必要があります。