2003保険年度コンディションサーベイ実施状況
- 外航
(1) | 新規加入予定船 :船齢10年以上の全船舶 ただし、コーティングタンクをもつケミカルタンカーは、船齢6年以上 | |
(2) | 既加入船 : 船齢16年以上の全船舶 ただし、 | |
イ. | 船舶の堪航性に起因する同種事故を2回以上起している船舶は、船齢に関係なく全船舶 | |
ロ. | コーティング・タンクをもつケミカルタンカーでかつインデム二ティリスクを付保している船舶は、船齢6年以上 | |
ハ. | インデムニティリスクを付保している冷凍冷蔵運搬船は船齢11年以上 | |
(3) | 再検査: | |
イ. | 上記(1)及び(2)により施検した船舶に関しては、原則として検査日から4年毎 | |
ロ. | 船齢が20年を超える新規加入船舶に関しては、加入後2年毎 |
[注1] | 2003年度より再検査に関する基準を新設。 |
[注2] | 上記基準に拘らず実際にクレームが発生し、クレーム発生のメカニズムに疑問のあるときは損害の調査を行うサーベイヤーに指示してコンディションサーベイも実施することがある。(2003年度で2件あり) |
2003年度中にコンディションサーベイを実施した船舶は87隻(既加入船舶 23隻、新規加入予定船舶 64隻)であり、これは前年度91隻とほぼ同数といえます。サーベイを実施した港を国別に見ますと、多い順に韓国(45隻)、日本(20隻)、シンガポール(6隻)、台湾(4隻)、中国、アルゼンチン(各2隻)、以下ドイツ、タイ、フィリピン、オーストラリア、ベトナム、トルコ、スリランカ、オランダで各1隻ずつとなっています。
一般貨物船 | 25(43) |
PCC/RORO船 | 13( 0) |
原油/メタノールタンカー | 12(12) |
ケミカルタンカー | 10( 8) |
冷凍冷蔵運搬船 | 9( 2) |
LPG・LNGタンカー | 5( 0) |
撒積貨物船 | 5(16) |
コンテナ船 | 2( 2) |
セメント専用船 | 2( 2) |
漁船 | 2( 0) |
鉱石・石炭兼用船 | 1( 1) |
チップ専用船 | 1( 1) |
合計 | 87 |
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※ ( )内数字は前年度 |
勧告の無かった船舶は9隻のみ、勧告箇所は1隻で複数の場合が多い
(1) 船体修理勧告: | ハッチカバー/コーミング | 46件 |
船倉/タンク | 55件 | |
外板・隔壁 | 2件 | |
甲板/ブルワーク | 39件 | |
水密扉 | 2件 | |
係船装置 | 6件 | |
荷役装置 | 2件 | |
固縛用装置 | 2件 | |
主機/補機 | 15件 | |
その他 | 16件 | |
(2) 書類整備勧告: | 海図整備 | 30件 |
非常用設備 | 18件 | |
情報伝達 | 10件 | |
その他 | 14件 | |
合計 | 257件 | |
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サーベイの結果コンディション不良とされ、それに起因するクレームのカバー制限もあり得ると警告した事例は14隻(Full Defect Warranty付帯)ありますが勧告の結果、保険契約不成立となった事例はありませんでした(過去通算10隻あり)。また勧告箇所の修理が終わった場合にはFollow-up Surveyを実施して状態を確認後Defect Warrantyを外すようにしています。
当組合加入船の平均船齢は他クラブと較べ比較的若く年間のサーベイ数の極端な増大には繋がらないと考えられますが、昨年度よりコンディションサーベイの「再検査」という考え方を取り入れ、老齢船であることから発生するかもしれない事故の可能性を早い段階で見つけ出して関係組合員には状態の是正をお願いするという方向を打ち出しました。
国際的にもサブ・スタンダード船を排除する流れが強まるなか、当組合も国際P & Iグループの一員として、また、当組合加入船隊の高い質の維持・向上を図るとともに良績な保険成績堅持に向け、今後とも加入船舶のサーベイ実施強化に努めていく所存であります。
また現在国際P & Iグループにおいてコンディションサーベイ検査項目を統一する方向で検討が進められており、グループ間で合意されれば当組合も統一された検査フォームを採用することになるでしょう。