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鋼材輸送に関するPre-loading Surveyについて

2004/04/22 第04-001号
  • 外航

当組合は、クレームの削減を図り安定した保険成績の実現を目指すため、組合員のロス・プリベンション活動の一助として事故原因分析やサーベイヤー等による事故防止・対応策の有効利用によるサポート強化に取り組んでおります。2003年度に開催した地区協議会及び2002年9月に実施したアンケート調査では、当組合のこうした活動に対する組合員のご要望として、他の国際P&Iグループクラブと同じくPre-loading Surveyの積極的な活用を期待されるご意見が寄せられました。かかる状況に鑑みて、当組合は、鋼材輸送に関するサーベイの手配とその費用のてん補に関する取り扱いを一部変更させていただくことに致しましたので、ご案内申し上げます。


鋼材輸送に関するPre-loading Surveyに対する当組合の従来の方針は、1980年6月24日付特別回報第55-003号に記載のとおりであり、以下に要約することができます。


1) 当組合は、組合員が自らの判断と費用で、各船積み港で貨物、積み付け、ハッチカバーの状態についてサーベイを実施することを推奨する。

2) ただし、サーベイ費用は、後日貨物クレームが発生した場合に限りてん補する。

3) なお、鋼材の状態や天候などからクレームが発生する可能性が高いと組合員から事前通知があり、当組合の同意のもとにサーベイが行われた場合は、クレーム発生の有無を問わずその費用をてん補する。

4) てん補されたサーベイ費用は、各組合員の保険成績に算入する。

上記方針が組合員と当組合の両者にとって最も効率的であるとの考えのもと、現在まで継続して参りました。しかしながら、冒頭でご説明申し上げた背景によりこれを改め、今後は、組合員より鋼材輸送に関してPre-loading Survey実施の要請があれば、当組合はサーベイ手配を行い、後日貨物クレーム発生の有無を問わず、その費用は保険金としててん補させていただきます。ただし、Steel Bars、Slabsなどの半製品のサーベイはお勧め致しません。なお、てん補されたサーベイ費用は、各組合員の保険成績に算入されることは従来どおりです。


Pre-loading Survey自体は、通常のP&Iカバーのてん補範囲には入りませんが、鋼材輸送についてはクレームの防止と責任防衛に有効との判断に立ち、上記取り扱いと致しました。なお、鋼材以外の貨物のPre-loading Survey費用は原則としててん補されませんが、当組合があらゆる状況から判断し特例としてサーベイ実施に同意した場合はてん補に応じさせていただきますので、お含み置き願います。


当組合はロス・プリベンション活動の強化に向けて一層努めて参りたいと思いますので、引き続き組合員のご理解とご協力をお願い申し上げます。