ニュース

イラン制裁−EU理事会規則267/2012-イランからの原油及び石油製品の輸出-2012年7月1日より禁止

2012/06/28 第12-008号
  • 外航

題記の件に関し、本年2月9日付特別回報第11-022号及び3月29日付特別回報第11-30号をご参照下さい。


本年6月25日にEU外相理事会が行われ、添付のプレスリリースが発表されました。国際P&Iグループでは、EUのプレスリリースの内容を踏まえた組合員向けのお知らせを作成しましたのでご案内申し上げます。


なお、当組合の立場は他クラブとは異なる部分があることから、当組合独自の対応を設定しておりますのでご注意下さい。当組合の立場及び対応措置については2月27日付特別回報第11-025号及び4月10日付特別回報第12-001号をご参照ください。


国際P&Iグループ(IG)では従前FAQs(Frequently Asked Questions)を作成し、本年7月1日より制裁が実施された場合のイラン産原油及び石油製品の輸送とクラブカバーにおける影響について組合員にご案内しました。制裁実施の延期の可能性も報道されていましたが、EU理事会は6月25日付でプレスリリースを発表し、本年1月23日以前に締結された契約の実施のためのイラン産原油の輸入及び輸送に関する適用除外並びにEU管轄下の保険者によるイラン産原油の輸送に対するP&Iカバーの提供に関する適用除外は終了し、(題記の規則で規定されたとおり)7月1日以降の当該活動の禁止を確定しました。


輸送及び保険提供に関する規定


題記規則のArticle 11 1 (d)及び12 (2)の規定に従い、貨物の最終仕向地がEU内であれ外であれ、イラン産原油もしくは石油製品を輸送する航海に対して、クラブはカバーの提供を禁止されることになります。イラン産石油化学製品の輸送及び保険提供は既に5月1日より禁止されています。イラン産原油及び石油製品の輸送(EU管轄下の船主は禁止されますが、EU外で当該活動を行う非EU管轄下の船主にとっては依然として合法です)は、制裁に関するクラブのてん補除外規定の対象となります。合法的に当該貨物の輸送を継続する組合員は、EU理事会規則の禁止規定の対象とならない別の責任保険、金銭的保証、国家補償スキーム、その他の保証提供を手配する必要があります。当該航海を行う可能性のある組合員は、実施前にクラブに通知し、さらに航海の完了についても連絡することをお願い申し上げます。


燃料油


FAQsにてご案内しているとおり、禁止規則は原油及び石油製品を貨物として輸送する場合のみならず、イラン産であることを知っていた場合及びイラン産であることを疑う十分な理由がある場合には、燃料油に対しても適用されます。従いまして、タンカーだけでなく、あらゆる船種において本件禁止規定の対象となる可能性があります。イラン産燃料油であることが明確な場合には、当該燃料油を給油すべきではありません。イラン産燃料油である、もしくはイラン産燃料油が混じっていると疑わしい場合には、給油する前にイラン産ではないことの確認を求め、確認が得られない場合には別の燃料油を手配するのが賢明です。


IGでは今後も関係当局と連絡を取り続け、輸送及び保険カバーに影響する制裁措置を注視し、進展について適宜ご案内致します。