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国際P&Iグループに対するEU競争法当局の調査の件

2010/12/24 第10-020号
  • 外航

EU競争法当局は、2010年8月26日、国際P&I グループ(以下、IG)に加盟しているクラブ間で行われている協定につき、競争法に基づく調査を開始すると発表しました。


EU競争法当局は、IG に対して、International Group Agreementの保険料求率手続き(Quotationprocedures) 並びに精算保険料(Release calls) に関する規則が、クラブ間の競争を抑制し船主の利益を害していないかどうかの検証を行いたいとの意向を伝えてきました。また、EU競争法当局は、P&I保険の市場において商業保険者が排斥されていないかどうかも検証する模様です。ただ、これらの点は1980年代、1990年代に実施された二度のEU競争法当局の調査において既に検証された事項であり、検証の結果、二度ともEU競争法当局はIG の協定に対して競争法適用免除を付与する決定を下しております。


IG並びにIG加盟のクラブは、今般の調査でEU競争法当局が提起した問題点を踏まえつつ、EU競争法当局IG担当調査班と緊密に連絡をとっております。EU競争法当局が懸念する点に関しIGの見解を要約した短いメモを添付致します。これをご参照頂ければ、EU競争法当局の調査の現況が理解できるものと思います。


調査の一環として、先頃、当組合を含むIG加盟の各クラブは、今般の調査に関連した情報をEU競争法当局より求められており、その中には組合員の連絡先を含む組合員に関する情報も含まれております。EU競争法当局は、秘密情報を要求するような質問を通常よく発するのですが、秘密情報は厳しい秘匿義務のもと慎重に取り扱っております。


IG では、最近いくつかの船主もまたEU競争法当局から今般の調査に関連した情報要求を受けたと聞いております。今後、EU競争法当局は、さらに別の船主にも情報を求めコンタクトしてくることが予想されます。回答にあたっては、船主は独自に法的アドバイスを求めることが出来ます。


本件に関するさらなる情報を希望される場合は、当組合までご連絡下さい。


添付: IGに対するEU競争法当局の調査の現況(問題点の要約)