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台湾船員雇用契約書改定の件

2000/02/02 第99-026号
  • 外航

台湾船員法の1999年6月23日付改定に伴い、台湾運輸省(Ministry of Transportation)は、台湾船員の雇用にあたって使用が義務付けられている雇用契約書の改定作業を行ってきました。この改定作業が終了し、2000年1月1日より使用されることとなりましたので、新雇用契約書の改定部分(下線部)を次のとおりご案内致します。


The new Seafarer’s Code of Taiwan came into effect on the date of its promulgation on 23 June 1999. Since then, the Ministry of Transportation has proceeded to amend the old crew contract, adoption of which has been compulsory to the employment of Taiwanese crew. On 1 January 2000, a new contract was introduced with provisions being stipulated based upon relevant Articles in the new Seafarer’s Code. The revolutionary Articles (with underlines) are duly translated hereunder for our members’ ease of reference.


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第6条 雇用期間は契約開始後24ヵ月以内とする。更改契約は前契約満了日の翌日開始とする。契約時に船員が64歳以上の場合は、雇用期間の継続は65歳までとする。ただし65歳で退職した船員が、有効な海外の免許または資格書類を所持しているか、もしくは身体能力が船員に適合する場合は、海外の雇用者による雇用は可能とする。雇用契約満了時に海外で乗船中の場合、船員と雇用者の双方の合意により雇用契約は延長することができる。

第10条 1週間当りの労働時間が44時間を超える場合、時間外労働に従事したとみなして、雇用者は船員に時間外手当を支払う。時間外手当は船員の通常賃金の時間当り単価で計算し、これを船員への通常の時間外手当とする。ただし船員に支払われる通常の時間外手当は、1ヵ月当り最低85労働時間相当額とする。

第11条 特別奨励金には超過作業手当、通常の時間外を超える時間外手当、年間賞与および雇用者の事業利益による賞与として受け取る報酬を含む。

第12条 有給休暇:
(1) 国の定める休日および海の記念日
(2) 船員が上記の休日に就労した場合、雇用者は休日労働に対し通常賃金による時間外手当を支払うか、または船員のローテイションに代休を入れる。
(3) 雇用者は1年以上乗船して働いた船員に、年間30日の有給休暇を与える。乗船期間が1年未満の船員の有給休暇は、雇用期間の月数の割合とする。
雇用者は年間有給休暇を未消化の船員に、年末または雇用期間終了時、未消化の日数に応じた賃金を支払う。通常の賃金はその期間中も引続き支払われる。

第14条 船員法第22条(1),(3)に従い、船員の責めに帰すべき理由ではない場合、雇用者は次の解雇手当(retrenchment benefits)を支払う。ただし、船員が同一雇用者がマネージする他の船舶に再雇用された場合を除く。

1. 報酬が月毎の場合、3ヵ月分の賃金を追加で支払う。
2. 報酬が航海毎の場合、報酬の全額を支払う。
3. 丸3年間同一雇用者に属する船舶に乗船した船員は、第1項の追加分に加え、4年目より年当り1ヵ月分の賃金を受け取ることができる。丸1年間乗船しなかった場合には、月当りの割合で計算した追加報酬を受け取ることができ、1ヵ月未満は切り上げる。

第17条 第5項
雇用者は職務上で負傷または罹病した船員に、病院で治療を受けさせ治療費用を負担する。船員に後遺障害が残ったか、もしくは傷病時より2年経過後も回復しない場合は、雇用者は本人の平均賃金および後遺障害等級に従い、一時金として後遺障害手当を支払う。後遺障害等級の認定基準は労働保険法(Labor Insurance Act)の関連規定に従う。船員の傷病が職務外の場合でも、雇用者はその船員に病院で治療を受けさせ、3ヵ月を上限として治療費用を負担する。雇用者はこれら船員の治療費の負担に加え、船員にその間の通常賃金も支払う。

第20条 船舶の海難により船員の所持品が喪失した場合、雇用者は喪失手当として、船員の生死にかかわらずNT$40,000を支払う。

第22条 第1項
雇用期間中に死亡した船員の遺族に対し雇用者は、一時金として死亡船員の平均賃金の20ヵ月分の死亡給付金を支払う。その死亡船員が3年以上乗船していた場合には、雇用者は乗船1年につき2ヵ月分の割合で追加死亡給付金を支払い、1年未満の部分に関してはその割合で計算する。

第23条 第1項
第22条にかかわらず、職務遂行の結果として、又は職務上の理由による傷病の結果として死亡した船員の遺族に対しては、一時金として死亡船員の平均賃金の40ヵ月分の死亡給付金を払う。

第24条 第1項
船舶自体の行方不明または海難による場合を除いて、船員が航海中行方不明となり2ヵ月を経過した場合には、死亡したものと見なして親族は死亡給付金の支払いを請求することができる。

第26条 船員が雇用契約中に死亡した場合又は職務上の理由で死亡した場合は、雇用者は直ちに弔慰を表して親族にその事実を通知するとともに、弔慰金としてNT$100,000の支払いを申し出る。

第27条 雇用期間中の船員の死亡に対する死亡給付金に加えて、雇用者はその年の年間賞与として1ヵ月分の賃金相当額を、および船員の権利である年間30日分の有給休暇に相当する通常の賃金相当額を支払う。

第29条 第1項
船員が雇用期間中に死亡し、または雇用期間中の傷病により死亡した場合、雇用者は6ヵ月分の賃金に相当する葬祭料を支払う。

第33条 船員法第12条に従って両当事者は本契約書に署名し本契約書の条件に厳密に従うことに同意する。・・