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スペインにおけるPSC検査及び汚濁対策の強化

2004/10/12 No.512
  • 外航
スペインのINDECO(海事コンサルタント)よりスペイン当局がPSC検査と汚濁についてより厳しい政策を取りつつあるとの情報を入手しましたので、その要約及び原文をご参考に供します。

書類保持義務違反に対する政策:
スペイン港湾法上、PSC検査で船舶に保持を義務付けられている書類が揃っていないと重大な違反とみなされ、最大Euros180,303(約2470万円)の制裁金が課される可能性がある。そして、その制裁金支払を担保するために船舶は拘留され、少なくともEuros30,050(約410万円)相当の保証を積むよう要求される。PSC違反が見つかって船舶が拘留された場合はキャッシュ、小切手、銀行保証状又は国債による保証を積まなければ当該船舶の出港は許可されない。今般スペイン海運局長は最低Euros60,101(約820万円)の保証を要求するよう各港長に指示したが、書面でなされていないため、港長間で混乱が生じ、港によって最低保証金額が違うといった事態が生じている。

汚濁に対する政策:
スペインではPrestige号事件以降、汚濁に関して強硬政策が取られており、少量の油流出でも高額の保証が要求されるようになった。今年8月、折しも大勢の海水浴客やQueen Mary II号の入港で賑わっているVigo港で、ある漁船から深夜、油が流出した。本件においてはVigo市への風評損害及び漁船から港長への通報が事故発生8時間後と遅かったため損害が拡大したとして、マドリッドの海運局長は100リットルしか流出していないという船主の主張を聞き入れずに1000リットルの流出があったとみなし、制裁金及び清掃費用支払の保証として、それぞれEuros600,000(約8200万円)、Euros300,000(約4100万円)を要求した。