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シンガポールでの補油問題(No.2)

2001/12/12 No.403
  • 外航

2001年12月5日付JAPAN P&I NEWS No.401-01/12/05でご案内しましたシンガポールの粗悪油に関しての続報です。


シンガポールに本拠を置く燃料油の専門家Marine Fuel Consultants International Pte Ltd.発行の12月10日付News Letterのコピーを添付致します。


同News Letterの要旨は次のとおりです。


  1. 12月10日までの情報では、少なくとも2隻の船舶が粗悪油の使用により発電機が故障し、航行不能に陥った。
  2. 粗悪油に混入している不純物は、通常のISO8217:1996テストパラメーターでは検出されなかった。
  3. 不純物の検出のため、Fourier Transform Infrared Spectroscopy(FTIR)テストとGashromatography Mass Spectrometry(GC-MS)テストを実施したところ、粗悪油のサンプルからDimethylEster of Hexanedioic Acidが検出された。
  4. Dimethyl Ester of Hexanedioic Acidは、ペイントの剥離剤の成分である。
  5. 粗悪油を給油した多くの船舶が、粗悪油の陸揚げを余儀なくされている。
  6. 上記のような粗悪油の給油を防ぐための方策として、燃料油の売買契約書にFTIRテストの実施を条件付けるか、補油中に油のサンプルのFTIRテストを実行する ことが考えられる。
  7. FTIRテストは上記の化学物質の検出に有効で、GC-MSテストに比べ、分析時間が短く、費用も安価である。
  8. FTIRテストで不純物が検出された場合は、GC-MSテスト等で更に詳しい分析を 実施すると良い。