契約担当

P&I保険の社会的意義と芽生えた使命感

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P&I保険の社会的意義

2018年の秋に関西地方を中心に記録的な高潮や暴風となり大きな被害をもたらした台風21号関連の船舶事故があります。関西国際空港付近では最大瞬間風速58.1メートルと当時としては史上最大の暴風を観測、暴風で流されたタンカーが関西国際空港の連絡橋に衝突するといった甚大な事故が広く社会に報道されました。関西圏での船舶の事故だったため、同じような事故を想定したP&I保険のてん補についての問い合わせも多くありました。その内容は、実際に組合員の船舶が同じような事故に巻き込まれた場合に、P&I保険でてん補される損害の範囲や種類だけでなく、加入船舶の法律上の船主責任限度額はいくらになるかなど、組合員の会社経営に直結する切実なものばかりでした。

船舶による事故は巨額な損害賠償を伴うことがあり、万一、そのような事故が起きてしまった場合には、P&I保険によってその損害をてん補することになります。P&I保険は一般にはあまり知られていない保険だと思います。私もあまりこの業界を知らずにP&I保険の世界に足を踏み入れたので、最初はP&I保険の実務で必須な知識である「船主責任制限法とは?」といったことから勉強をしました。こうした法律の制度は、就職するまで身近に感じる事がなかったので、実務を通じてP&I保険の社会的意義を認識し、海事クラスターに携わる一員としての使命感も芽生え、仕事に取り組んでいます。

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質問を正しく理解し、対応する

私は2019年現在、中国地方や山陰地方、北陸地方を担当しています。国際航海に従事する外航船の保険契約だけでなく、内航船の保険契約についても取り扱っています。外航船の運航を主としている組合員からは用船契約書や補償状の文言に関する相談や問い合わせが多く、それぞれの書類の文脈をきちんと理解することが重要になってきます。

組合員からの質問の受け答えの際は、相手の質問を正しく理解し、憶測や思い込みでは話さず、誤解を与えないよう注意しています。保険者として正確性を期すためにも、相手に期待をもたせるような中途半端な表現を避け、相手の意図を考慮し、正しく伝えることが重要です。時には上司や先輩からアドバイスをもらいながら、組合員に丁寧な対応をすることをいつも心掛けています。

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セミナーや懇親会を通じて

組合員に対して「P&I保険の概要」についてのセミナーをおこなう機会があります。テーマが保険についてとなるとどうしても堅苦しく思われがちですが、できるだけみなさんに身近なものだと思ってもらえるよう、わかりやすい表現や話し方になるよう工夫しています。セミナーでは、巨額損害の可能性がある油濁事故についてのご質問を受けることもあります。こういったご質問にもてん補内容についてわかりやすくお答えすることを心掛けています。また、セミナーの後には懇親の場を設けていただくこともあります。こうした交流で組合員と親睦を深め、気軽にご相談していただけるような関係を築き、友好的な関係性を今後も大切にしていきたいです。

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千里の行も足下より始まる

この言葉は私がモットーにしている好きなことわざです。千里の道のりも足元の第一歩を踏み出すことから始まるという意から、どんな遠大な事業も手近なところから始まるというたとえですが、目下の課題はP&I保険の知識をしっかりと身に付けることです。というのも、周りの先輩方に比べるとまだまだ知識や経験が足りていないと感じることもあるため、1日でも早く追いつくよう、日々努力しています。また、知見を広げるという意味では、文献だけに頼るのではなく、社内外の幅広い分野のひとたちとの交流も大切にしています。

そして組合員とは、さらに信頼関係を強固にするため、直接会ってお話しすることが大切だと感じています。事案や局面によっては電話やメール交信だけでは十分気持ちが伝わらない場合もあります。直接面と向かってお話しすることで、誤解を生むことなく物事がスムースに解決できます。そのため、できるだけ組合員のところへ訪問するようにしています。また、組合員訪問では経営者の方々とお話しする機会も多く、自分にとって非常に貴重で有益な経験にもなっています。そういった機会を活かし色々な知識を吸収しながら頼られる存在になれるようになりたいです。