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【コラム】国際P&Iグループの活動紹介-IG Correspondents Conference in London 2026

2026/10/20

当組合は国際P&Iグループ(IG)加盟クラブの一員として、各種委員会にかかわっております。今回は、本年9月29日から10月1日にかけて開催されたコレスポンデンツ委員会主催の「コレスポンデンツ会議」の模様をご紹介します。

 

コレスポンデンツ委員会は4年に1度、主にロンドンで世界中のコレスポンデンツを集め、日頃の協力への感謝を伝えるとともに、その役割の再確認や情報共有などを目的としたコレスポンデンツ会議を開催しています。近年は各コレスポンデンツ会議開催期間の合間に地域型のコレスポンデンツセミナーを開催しており、これまでシンガポールと香港で開催されました。

 

コレスポンデンツ会議(於:ロンドン)概要
今年はロンドンのテムズ川沿いに佇む、国際海事機関(International Maritime Organization、IMO)の本部ビルでコレスポンデンツ会議が開催されました。IMOは海運や船舶の海上航行の安全や環境保全のために、国際的なルールを策定し、条約を定めています。IGもオブザーバー資格を持ち、条約策定の議論に直接参加して意見表明を行うなど、密な連携関係を築いています。そのような由緒あるIMO本部ビルで開催された会議に参加し、登壇できたことは、当組合にとっても非常に光栄な機会となりました。

 

110か国を超える世界各地からコレスポンデンツが集まり、総勢700名以上が参加登録を行う、過去最大のコレスポンデンツ会議となりました。

 

今年のテーマは“Harnessing the Power of Correspondents”(コレスポンデンツの力を結集する)です。近年話題になっているトピックをメインにP&Iクラブやコレスポンデンツ、外部関係団体などによる講演が実施されました。例えば、報告件数が増加している液状化貨物の積載や火災事案において避難港の確保が困難になっていることへの注意喚起、中南米での麻薬の問題などが取り上げられました。また、予期せぬ通信障害や情勢不安といった不測の事態に直面した地域において、現地のコレスポンデンツがいかにContingency Plan(緊急時対応計画)を実行して業務や連絡網を維持したかという実例も紹介され、困難な事案でコレスポンデンツの知見や経験がどのように役立つのかが熱弁されました。さらに、各クラブが時間を区切って多くのコレスポンデンツと交流するセッションも設けられ、各地のクレーム事例や情勢など、活発な議論が交わされました。

 

speech

当組合からは内田陸クレームエグゼクティブが登壇し、アルゼンチンのコレスポンデンツPandi Liquidadoresと同じセッションで「人工知能(AI)」を共通テーマとした講演を行いました、それぞれコレスポンデンツ観点とP&Iクラブ観点からのAIに関する考察を述べています。

 

講演では、まずPandi Liquidadoresから日常業務におけるAIの活用方法とそのメリット・デメリットが紹介されました。続いて、当組合から、日常のクレームハンドリングにおいてAIが活用できる業務の可能性と、その注意点について解説しました。さらに、今後AIと共存していく上で、クレームハンドラーとコレスポンデンツの両者に求められる新たな役割として「人による取捨選択と判断の重要性」を強調し、AIを人の代替手段ではなくパートナーとして活用し、よりよいクレーム対応の品質を目指していくという提言を行いました。

 

AIの躍進に伴い、我々の役割がAIによって代替されることが懸念される中で、現場の生の情報をいち早く届け、現場での重要な人間関係を構築できるコレスポンデンツは、決してAIによって取って代えられない存在です。組合員から選ばれ続けるクラブおよびコレスポンデンツであるために両者の関係強化を図ることが益々重要になることを参加者に向けて発信しました。AIは昨今高い関心を集めているテーマであるため、講演後に多くのコレスポンデンツやクラブの参加者から反響が寄せられました。

 

今後も当組合としてIGネットワークへの発信、コレスポンデンツとの連携強化、組合員の皆さまへの最新動向の提供などを積極的に行い、船舶の安全運航ならびに組合員の皆さまの安定した事業運営に寄与してまいります。

 

開催日程:2026年9月29日(火)~10月1日(木)
開催地:国際海事機関本部ビル(IMO Headquarters Building)