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ニュース

2026保険年度保険料率および過年度保険料率・精算保険料率について

2025/11/25 第25-015号

2025年11月25日に東京で開催された第627回理事会において決定した2026保険年度保険料率および過年度保険料率・精算保険料率について、下記のとおりご報告申し上げます。

 

 

1. はじめに

 

本年10月31日時点で、当組合では内外航合わせて3,537隻、8,499万トンにのぼる船舶にご加入いただいております。組合員の皆さまのご支援に感謝申し上げます。

 

当組合は、保険収支の改善と強靭な財務基盤の構築に尽力してまいりましたが、2024事業年度末においては、リザーブ金額を411億円にまで積み増すことができました。その結果、S&Pグローバル・レーティングによる信用格付けが「BBB+(アウトルック:Stable)」に引き上げられました。改めまして組合員の皆さまのご協力に深謝申し上げます。

 

一方で、当組合を取り巻く環境に目を向けますと、世界的なインフレの影響による支払保険金の継続的な上昇傾向に加え、ロシア・ウクライナ戦争や中東情勢といった地政学リスクの長期化により、再保険料は引き続き高い水準で推移することが見込まれております。

 

また、国際P&Iグループ(IG)プール協定に基づくIG再保険の対象となる他クラブにおける大型事故の発生が継続しており、これに対する当組合の負担保険金の高額化が懸念されます。さらに、新規加入船の保険料水準が低下するなかで、相対的に保険料水準の高い高齢船の解約(売船等)が進むことによる保険料規模全体が縮小化する影響も継続しております。

 

これまでの施策により保険収支は改善しつつありますが、こうした事業環境を踏まえますと、当組合が将来にわたって組合員の皆さまに安定的な保険サービスを提供し続けるためには、継続的な収支の安定が必要であることから、2026保険年度の保険料率および過年度追加保険料率・精算保険料率、外航船保険につきましては免責金額を以下のとおり決定いたしました。何卒ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

2. 外航船保険


保険年度

当初予想

追加保険料率

請求済み

追加保険料率

今回決定

精算保険料率

2022

40%

40%

クローズ

クローズ

2023

予定保険料に変更なし

3.5%

2024

予定保険料に変更なし

3.5%

2025

-

予定保険料に変更なし

15%

2026

5%のGeneral Increase

15%


詳細は、以下のとおりです。

 

2026保険年度保険料率

5%のGeneral Increaseを行います(付帯する特約やその他追加保険を含みます)。また、各組合員の保険成績等による調整に加え、IG再保険コストに変動がある場合はそれに応じた調整を行います。

 

精算保険料率は、予定保険料の15%といたします。詳細は、以下「6. 精算保険料率」をご参照ください。

 

過年度保険料および精算保険料

2022保険年度

同保険年度の追加保険料は、当初予想どおりの前払保険料の40%をお支払いいただきました。保険年度終了後2年半を経過しており、これ以上のご負担をお願いすることなく、クローズいたします。

 

2023保険年度

現時点で同保険年度の予定保険料に変更はありません。精算保険料率は予定保険料の3.5%のまま据え置くことといたします。

 

2024保険年度

現時点で同保険年度の予定保険料に変更はありません。精算保険料率は予定保険料の3.5%のまま据え置くことといたします。

 

2025保険年度

現時点で同保険年度の予定保険料に変更はありません。精算保険料率は予定保険料の15%のまま据え置くことといたします。

 

2026保険年度免責金額

2026保険年度において、50,000米ドル以下のすべての免責金額を10%引き上げます。ただし、最低引き上げ額は1,000米ドルといたします。

これに伴い、標準免責金額は以下のとおりとなります。

 

対象 新標準免責金額 現行標準免責金額
船員クレーム:1事故あたり 6,000米ドル 5,000米ドル
貨物クレーム:1航海あたり 16,500米ドル 15,000米ドル
その他クレーム*:1事故あたり 11,000米ドル 10,000米ドル

* 1/4RDC等(4/4RDCを含む)を個別に設定している場合は、10%引き上げます。ただし、最低引き上げ額は1,000米ドルといたします。

 

3. 内航船保険

 

2026保険年度保険料率

現行の保険料率を一律10%引き上げます(付帯する特約やその他追加保険を含みます)。また、各組合員の保険成績等による調整を行います。

 

4. 用船者責任保険特約

 

2026保険年度保険料率

5%のGeneral Increaseを行います(付帯する特約やその他追加保険を含みます)。また、各組合員の保険成績等による調整を行います。

 

5. FD&D特約

 

2026保険年度保険料率

5%のGeneral Increaseを行います(付帯する特約やその他追加保険を含みます)。また、各組合員の保険成績等による調整を行います。

 

精算保険料率は、予定保険料の15%といたします。詳細は、以下「6. 精算保険料率」をご参照ください。

 

過年度追加保険料および精算保険料

2022保険年度

同保険年度の20%の予想追加保険料率は、ご負担を願うことなくクローズいたします。

 

2023保険年度

現時点で同保険年度の予定保険料に変更はありません。精算保険料率は、予定保険料の3.5%のまま据え置くことといたします。

 

2024保険年度

現時点で同保険年度の予定保険料に変更はありません。精算保険料率は、予定保険料の3.5%のまま据え置くことといたします。

 

2025保険年度

現時点で同保険年度の予定保険料に変更はありません。精算保険料率は予定保険料の15%のまま据え置くことといたします。

 

6. 精算保険料率

 

外航船保険とFD&D特約の精算保険料は、保険料リスク、支払備金リスク、巨大災害リスク、市場リスク、債務不履行リスク、事業リスクなどを総合的に勘案したうえで設定しており、2023保険年度および2024保険年度は、予定保険料の3.5%としています。近年、地政学的リスクおよび巨大災害リスク等、変動リスクが依然として高い水準にあり、組合員のご負担の公平性も鑑み、2025保険年度の精算保険料は予定保険料の15%を据え置くこととし、2026保険年度については予定保険料の15%として、以後毎年見直しを行うことといたします。

 

7. 休航による保険料の払戻し

 

外航船保険、用船者責任保険および内航船保険については、積荷を積載せず、同一の安全な港または場所で引き続き30日以上(開始の日から終了の日までの日数から1日を控除した日数)休航した場合は、当該期間の日割り保険料に40%の返戻率を乗じた金額を返戻いたします。

 

以上