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新年のごあいさつ

2024/01/04

組合員各位


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理事長 髙橋 静夫


あけましておめでとうございます。旧年中は、組合員の皆さまにはひとかたならぬご支援とご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。本年もより一層のお引き立てを賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

 

また、能登半島で発生した大地震により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

 

2023年は、新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着き、パンデミック前の社会環境に回復する兆しが見えたのもつかの間、世界的なインフレや欧米を中心とした金利上昇等の影響、ロシア・ウクライナ戦争の長期化に加え、下期には中東情勢が激化し、内外海運業界を取り巻く事業環境は、不透明な状況が続いております。

 

当組合においては2023保険年度の保険成績は比較的堅調に推移しているものの、外航船保険では上期にプールクレームが1件、内航船保険についても下期に入り損害見込額が3億円を超える大型事故が1件発生しています。過年度に発生した大型クレームの進展状況とともに、今後のクレーム発生状況については引き続き注視を要している状況です。

 

組合員の皆さまへ安定した保険サービスを提供するために、より一層の財務基盤の安定と強化を最優先事項として取り組んでおります。このような状況下、外航船保険で2020保険年度および2021保険年度のクレームの進捗により保険成績が大幅に悪化する結果となり、昨年3月にそれぞれ25%の予定外追加保険料をご負担いただきました。おかげさまで2022事業年度決算において、リザーブを274億円にまで回復することができ、スタンダード&プアーズでの信用格付けは、「BBB (アウトルック:安定的)」に据え置きとなったものの、自己資本充実度の評価が『強い(A)』から『非常に強い(AA)』に改善し、財務リスクプロフィール評価が引き上げられることとなりました。 改めまして組合員の皆さまのご協力に深謝申し上げます。

 

こうした施策により財務基盤は改善しつつありますが、保険収支は、まだ十分であるとはいえない状況であること、過年度の保険成績の状況や世界的なインフレ継続によるクレームの高額化、再保険料の高止まり、ロシア・ウクライナ戦争を含む地政学的なリスク等に鑑み、2024保険年度契約更改では、外航船保険において7.5%、内航船保険においては、10%のGeneral Increaseをお願いすることになりました。組合員の皆さまに継続して保険料の値上げをお願いすることになり、誠に心苦しい限りですが、安定した組合運営を維持するために必要な措置として、何卒ご理解・ご協力をお願い申し上げます。

 

昨年7月には日本橋から赤坂に、本部事務所移転を移転いたしました。また、生産性と業務効率の向上を目的としてデジタルトランスフォーメーション(DX)推進プロジェクトをスタートさせております。より高品質なサービスをご提供できるよう役職員一丸となって全力で努めているところです。近年、海運業界で船舶の自律運航に関する実証実験や化石燃料から代替燃料への切り替えなど時代を画する挑戦が進んでおりますが、当組合においても二元燃料船のご契約をいただくなど、時代の流れに即した保険引受を積極的に進めております。

 

引き続き、皆さまが当組合に求めるサービスクオリティと、競争力のある保険料をご提供し、より強固な経営基盤を築いて組合員の皆さまにとってより良い組合を創るべく尽力してまいります。

 

最後になりますが、組合員の皆さまの事業のますますのご発展、本船の安全運航、ご健康とご多幸をお祈りして、新年のご挨拶とさせていただきます。