2010年に国際P&Iグループ（IG）は、P&I保険に関する高品質かつ分野ごとに特化した研修をクラブ職員に提供するP&I資格プログラム（P&IQ: P&I Qualification）を開始しました。受講者はコースを通じて、海運業、P&Iクラブの起源と運営、P&I保険でてん補される被保険者の責任についての貴重な知識を得ることができます。2017年10月にコレスポンデンツへコースを公開し、それから2年を経て、今般、すべての人にコースが公開されることになりました。

コースの教材は、毎年更新、改良がされ、冊子、オンラインで入手が可能です。教材は、P&I保険実務に関連する詳細な知識が書かれていて、その中にはリスクの引受方法、クレームへの対処方法、国際条約の適用などが含まれます。各コース（モジュール）の内容は次のとおりです。

モジュール1: 海運業

モジュール2: P&I保険の歴史、運営、実務

モジュール3: 引受・ロスプリベンション・クレーム対応

モジュール4: 人的リスク

モジュール5: 積荷リスク

モジュール6: 衝突、財物損傷、汚濁

モジュール7: 曳航、救助、共同海損および船骸撤去

モジュール8: [テキストなし]テストのみのモジュールで、他のモジュールで得た知識を実際のケーススタディに適用する受講者の能力を評価します。

IGクラブ以外の受講者の費用は、１モジュールあたり200ポンドです。これには、学習教材へのアクセスと受験費用が含まれます。ユーザーは、PDFガイドやオンラインサンプル試験にアクセスすることができます。

モジュール終了に応じて3つの資格が付与されます。

P&IQ Certificate: モジュール1～3

P&IQ Advanced Certificate: モジュール4～7

P&IQ Diploma: モジュール8

IGのP&IQ小委員会では、ここ数年で約2,000のインタラクティブな試験問題を準備したり、試験の遠隔監督の最先端システムを通じて受講者が自社オフィスで試験を受けることができるようにしたりするなどの取り組みを行ってきました。

コレスポンデンツへのコース公開は成功し、これまでに400名以上のコレスポンデンツが受講し、現時点で利用可能なモジュール1～7すべてのコースを修了した人も1名います（モジュール8は2020年5月に公開予定です）。また、このコースは、P&Iクラブの職員の能力開発のトレーニングを提供することを主な目的としていて、IG加盟のすべてのクラブから総計1,000名以上がコースに参加しています。

IG事務局と各IGクラブは、P&IQへの参加に関心がある組合員、ブローカー、再保険業者、弁護士、海事当局者およびその他業界関係者からここ数年、照会を受けてきました。遠隔監督試験システムの開発および改良の結果、P&IQに関心があるすべての人に参加いただけるようになったことをご案内します。試験は、年2回（春1回、秋1回）行われ、2020年5月の試験からすべての人が受験できることになります。

受講をご希望の方は、P&IQのウェブサイト（www.pandiq.com）からコースの登録と教材、オンライン試験のサンプルを確認することができます。

国際P&Iグループのすべてのクラブが同様の内容の回章を発行しています。