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第602回理事会結果のご報告

2019/11/26 第19-012号

組合員各位


2019年11月26日に東京で当組合の第602回理事会が開催されました。下記のとおり主要な決議内容をご報告申し上げます。

 

 

 

はじめに

当組合には本年1031日時点で内外航あわせて42519883万総トンの船舶にご加入いただいており、組合員各位のご支援に感謝申し上げます。

2019保険年度のクレーム傾向については、外航船保険は上半期に大型事故が複数発生しており、台風15号の影響もあって、予断を許さない状況にあります。一方、内航船保険についても、昨年と比較すると落ち着いてはいるものの良績とは言えない成績で推移しており、今後の動向を注視する必要があります。

2020保険年度の保険料率および過年度追加保険料・精算保険料につきましては、引き続き競争の激しいP&I保険市場の中で、組合員を取り巻く事業環境、保険事業収支バランス等の各要素を慎重に考慮し、以下の「理事会主要決定事項」に記載のとおり決定いたしました。何卒格別のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

理事会主要決定事項

  1. 2020保険年度保険料率および過年度追加保険料・精算保険料

各保険種目の来年度保険料率等について以下のとおり決議されました。

 

外航船保険

保険年度

当初予想

追加保険料率

お支払い済み
追加保険料率

今回決定

精算保険料

2016

40%

30%

クローズ

クローズ

2017

40%

40%

追加徴収予想0%とし継続

5%

2018

40%

0%

40%相当額を2020年1月31日までにお支払いいただく

5%

2019

40%

0%

徴収予想40%のままで継続

45%

2020

40%

 

7.5%のGeneral Increaseを行います

45%

 

詳細は以下のとおりです。

 

2020保険年度 保険料率

外航船保険の保険料率については7.5%のGeneral Increaseを行います。また、各組合員の保険成績などによる調整に加え、国際P&Iグループ再保険コストに変動がある場合はそれに応じた調整を行います。

予想追加保険料率は前払保険料に対し40%、精算保険料率(*)は45%といたします。

 

過年度 追加保険料および精算保険料

2016保険年度

当初予想していた40%の追加保険料のうち30%20181月にお支払いいただいており、これ以上のご負担を願うことなくクローズいたします。

 

2017保険年度

現況

当該保険年度の保険成績は、今後大幅な変動はないものと見込まれます。

 

徴収率

当該保険年度の前払保険料に対して、当初予想していた40%の追加保険料のうち40%を2019年1月にお支払いいただきました。今後大幅な変動はない見込みから、予想追加保険料率を0%、精算保険料率を5%のままオープンといたします。

 

2018保険年度

現況

当該保険年度の保険成績は105.0%と悪績ですが、今後大幅な変動はないものと見込まれます。

 

徴収率

当該保険年度の追加保険料は前払保険料に対して40%の追加保険料のご負担をご予定いただいておりますが、現況を考慮して、この度は予定どおり40%の追加保険料をご負担願うことといたします。これにより、予想追加保険料率を0%および精算保険料率を5%へと変更いたします。

 

追加保険料の支払期日

前述の追加保険料を、2020年1月31日(金)を支払期日としてお支払いいただきます。

 

2019保険年度

当該保険年度の予想追加保険料率を40%、精算保険料率を45%のままといたします。

 

 

用船者責任保険特約

2020保険年度 保険料率

用船者責任保険特約の保険料率についてはGeneral Increaseを行いません。

 

 

FD&D特約

2020保険年度 保険料率

FD&D特約の保険料率についてはGeneral Increaseを行いません。

予想追加保険料率は前払保険料に対し20%、精算保険料率(*)は25%といたします。

 

過年度 追加保険料および精算保険料

2016保険年度

当初予想していた20%の追加保険料は、ご負担を願うことなくクローズいたします。

 

2017保険年度

当該年度の予想追加保険料率を20%、精算保険料率を25%のまま据え置くことといたします。

 

2018保険年度

当該年度の予想追加保険料率を20%、精算保険料率を25%のまま据え置くことといたします。

 

2019保険年度

当該年度の予想追加保険料率は20%、精算保険料率は25%のままといたします。

 

 

 ✱上記外航船保険とFD&D特約の精算保険料は、保険料リスク、市場変動リスク、保険事業リスク、組合員の倒産リスクなどを総合的に勘案し、各保険年度の前払保険料に対して一律5%と設定しています。

 

 

内航船保険

2020保険年度 保険料率

内航船保険の保険料率については現行料率を据え置きます。

 

 

  1. 休航による返戻保険料

外航船保険、用船者責任保険および内航船保険については、積荷を積載せず、同一の安全な港または場所に引続き30日以上(開始の日から終了の日までの日数から1日を控除した日数)停泊・休航した場合は、日割り保険料に以下の返戻率を乗じた金額を返戻いたします。


  1.  船員を配乗したままで休航した場合     60%
  2.  船員(保安要員を除く)を配乗しないで停泊・休航した場合 75%

 

  1. Mutual Premium方式移行について

外航船保険およびFD&D特約の保険料について、2020保険年度よりミューチュアルプレミアム方式(前払い保険料と追加保険料を区別せず予定保険料を提示する保険料徴収方法)に移行すべく検討いたしましたが、保険料の徴収方法、移行措置、移行時期などについて、組合員および当組合にとって最適なものを改めて慎重に検討する必要があると判断し、2021保険年度以降の移行につき検討を継続することといたしました。

 

 

  1. 保険契約規定一部変更

2020220日より以下の規定の一部を変更することが決議されました。

 

第17条(堪航性等の確保)第2項変更

検査機関等により勧告された修理等について直ちに又は組合が指定する期間内に実施しなければならないことを明確化するものです。

 

第24条(財物等に関する責任及び費用)第3号変更

文言を整理するものです。

 

第26条(曳航に関する責任)第1項変更

文言を整理するものです。

 

第29条(積荷に関する責任及び費用)第2項第2号変更

実務上、離路の際に事前に組合に通知をいただき追加保険の手配を行っており、実務に合わせて規定を整備するものです。

 

第30条(共同海損)第1号変更

共同海損分担金のうち、法律上回収不能となった荷主の分担額のてん補についてのみ第29条に定める責任等に関する保険契約の締結を条件とし、その他の利害関係者の分担額(例:回収不能となった用船者所有の燃料油やコンテナについての用船者の分担額)のてん補には当該条件は適用しないことを明確化するものです。

 

第34条(免責金額)第2項変更

免責金額の適用について組合員との合意により柔軟な対応を可能にするための規定の変更です。

 

第35条(一般除外規定)第1項第7号、第8号変更、第13号、第14号新設、第2項第6号改定

IGプール協定の改定に伴い、てん補除外される特殊作業を整理・修正し、新たに第13号及び第14号として規定するものです。

 

第46条(保険金の回収)

実務上合意されてきた慣例に合わせて回収金の取り扱いを明記するものです。

 

 

なお、変更内容の詳細につきましては、2020年1月下旬に発行予定の特別回報にて改めてご案内申し上げます。

以上

日本船主責任相互保険組合

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