保険内容

P&I保険について

“P&I保険”とは、Protection & Indemnity Insuranceの略称です。船舶の所有者等が船舶の運航による事故等で負う責任および費用をてん補します。

てん補範囲

てん補範囲は内航船・外航船で共通で、主に以下のような責任および費用をてん補します(イラストをクリックすると、てん補範囲についての簡単な説明がご覧いただけます。詳細は、保険契約規程および解説をご参照ください)。

  • 港湾施設損傷
    港湾施設損傷

    港湾施設損傷

    本船の接触によって、桟橋、岸壁、設置されている防舷材、岸壁に停車中の自動車などの港湾施設に与えた損害をてん補します。

  • 漁網・海産養殖施設損傷
    漁網・海産養殖施設損傷

    漁網・海産養殖施設損傷

    本船の接触によって、漁網や養殖施設などに与えた損害(修理費用や休業損害など)をてん補します。

  • ブイ損傷
    ブイ損傷

    ブイ損傷

    本船の接触によって、洋上に設置されているブイやビーコンなどに与えた損害をてん補します。

  • 油濁損害
    油濁損害

    油濁損害

    積荷や燃料油などが海上に流出した場合、清掃費用や漁業損害賠償金などをてん補します。

  • 衝突損害
    衝突損害

    衝突損害

    衝突によって、他船に与えた損害(他船の船員、積荷、財物に対するものを含みます)をてん補します。

  • 船骸の撤去
    船骸の撤去

    船骸の撤去

    本船が沈没や座礁などにより全損となり、法令により船骸を撤去することを命じられた場合に、撤去費用をてん補します。

  • 船員・船客以外の人に関する責任および費用
    船員・船客以外の人に関する責任および費用

    船員・船客以外の人に関する責任および費用

    船客、港湾労働者や本船に乗船した人が、けがをしたり、死亡などした場合に、医療費や損害賠償金などをてん補します。

  • 船員に関する責任および費用
    船員に関する責任および費用

    船員に関する責任および費用

    本船に乗船中の船員が、けがをしたり、病気になったり、死亡などした場合に、医療費、船員の送還・交代費用や労働契約に基づく補償金などをてん補します。

  • 航波による他船等の損傷
    航波による他船等の損傷

    航波による他船等の損傷

    直接の衝突や接触ではなく、本船が生じさせた航波によって、他船や港湾施設などに与えた損害をてん補します。

  • 積荷損害
    積荷損害

    積荷損害

    輸送する貨物に生じた、損傷、不足などの賠償金や、損傷貨物の処分費用などをてん補します。

  • 責任を防衛するための費用
    責任を防衛するための費用

    責任を防衛するための費用

    事故が起きた場合の、調査費用や弁護士費用をてん補します。

内航船保険

日本国内のみを航行する船舶を対象とする保険です。

保険金額

1回の事故につきお支払いする保険金の最高限度額です。
船舶の総トン数、船種に応じて最高200億円までの金額からお選びいただけます。
本船の責任制限額をカバーできる余裕を持った保険金額の設定をお勧めします。保険金額の設定については、ご相談ください。

保険期間

2月20日~翌年2月20日
(中途契約の場合、保険開始時より直後の2月20日まで)

保険料

てん補範囲に応じた「甲」、「乙」、「丙」の“契約区分”、“保険金額”および“船種”に応じた定額保険料となっています。

「甲」契約

標準契約で、「船員の死傷等に関する労働協約等に基づく責任」を含みます。

「乙」契約

「甲」契約から「船員の死傷等に関する労働協約等に基づく責任」を除外する契約です。工事作業船および輸送艀については「乙」契約のみとなります。

「丙」契約

工事作業船および輸送艀の「乙」契約に「船員の死傷等に関する労働協約等に基づく責任」を付帯するための契約です。

特約

次のような特約を設けております。詳細については、契約窓口までご照会ください。

特約 III 救助船の救助作業中の責任に関する特約

加入船舶が、救助作業を行う場合に、その作業により発生する損害をてん補します。

特約 IV 救助者の油濁責任に関する特約

組合員(組合員の下請負人、代理人または使用人を含みます)が船舶の救助を行う場合、その作業によって発生した油濁損害により生じた救助者としての組合員の責任をてん補します。

外航船保険

国際航海に従事する船舶を対象とする保険です。

船舶は以下の条件を満たしている必要があります。

  • 国際船級協会連合(IACS)加盟の船級または同等の機関(JG等)による船級もしくは資格を保持していること
  • ISMコード(国際安全管理コード)およびISPSコード(船舶及び港湾の国際保安コード)を保持していること
保険金額

定めは設けていませんが、理論上の上限は約USD88億(2024保険年度)です。ただし、油濁に関してはUSD10億を限度とし、船客についての責任はUSD20億、船客と船員の場合はUSD30億を上限とします。詳細はこちらをご参照ください。

保険期間

2月20日~翌年2月20日
(中途契約の場合、保険開始時より直後の2月20日まで)

保険料

外航船保険の保険料は、2022保険年度までは前払保険料(Advance Call)と追加保険料(Supplementary Call)の組合せ方式でしたが、2023保険年度よりMutual Premium方式に変更しました。いずれの場合も当該保険年度終了後、保険成績等を検討した上で追加保険料や予定外保険料を申し受けることがあります。また、加入船舶の保険契約が解約または解除された場合、精算保険料(Release Call)をお支払いいただくことで、当該船舶に対するそれ以後の予定外保険料の支払いを免除いたします。

追加保険料、予定外保険料および精算保険料の料率については、『GI・SC率』よりご参照ください。

特約

次のような特約を設けております。詳細については、契約窓口までご照会ください。

特約 I用船者責任保険(CLI)

用船者が用船する船舶の運航に伴い発生した損害および費用について、用船契約上または法律上の責任をてん補します。

特約 III救助船の救助作業中の責任に関する特約

加入船舶が、救助作業を行う場合に、その作業により発生する損害をてん補します。

特約 IV救助者の油濁責任に関する特約

組合員(組合員の下請負人、代理人または使用人を含みます)が船舶の救助を行う場合、その作業によって発生した油濁損害により生じた救助者としての組合員の責任をてん補します。

特約 V運賃、滞船料等に関する紛争処理費用及び損失担保特約(FD&D)

運賃、滞船料、粗悪油等に関する紛争処理費をてん補します。運賃などの損失そのものはてん補対象外です。

特約 VI運送人責任保険特約(SOL)

保険契約規程第29条(積荷に関する責任及び費用)ではてん補されない運送人の責任をてん補します。

保険契約規程

内航保険、外航保険における共通情報です。

  • 保険契約規程

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  • 保険契約規程 解説※組合員のみ閲覧できます。

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