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1999/12/06

第99-021号 Calcium Hypochlorite(次亜塩素酸カルシウム、高度サラシ粉) 運送上の注意

| by:sysadmin
第99-021号
1999年12月06日
外航組合員各位

Calcium Hypochlorite(次亜塩素酸カルシウム、
高度サラシ粉) 運送上の注意

UN Nos.(国連番号):1479、1748、2208、2880



国際P&Iグループ加盟各クラブは、共通回章によりCalcium Hypochlorite (次亜塩素酸カルシウム、又は高度サラシ粉)の運送上の注意をお知らせ致します。

International Group of P&I Clubs have prepared following circular to their members asrecommendations on carriage of Calcium Hypochlorite.


共通回章


最近の2年間に貨物船で、高度サラシ粉の運送に関連した大きな火災事故が何件か発生しています。このような事故に対処するため国際P&Iグループでは、作業部会を設けて情報を交換し、専門の科学者の意見を聞きました。


高度サラシ粉のコンテナ輸送に通常使用されるものと同じ大きさのパッケージで各種の試験を行った結果では、IMDG Codeに定められた運送基準は適当でないことが分りました。


高度サラシ粉はIMDG Codeでは、Class 5.1のOxidising Substance(酸化物) に分類されています。実際に生産されているものには、Breaching Powder(サラシ粉)として知られるHigh Strength(HCH)とLowStrengthとがあります。従って国連の分類もいくつかに分かれています。何れの高度サラシ粉も、有機物との混合によって激しい化学変化を起こし、熱と酸素が生じて火災発生の原因となります。梱包材料が不十分であったり破損したりして、又は精製不十分などの原因で不純物が混じることも考えられます。高度サラシ粉自体も化学変化を起こしやすく、高温に反応しやすい性質をもっており、パッケージが大きくなるにつれて反応が敏感になります。最近の調査によれば水酸化HCH(国連番号2880)は、船舶が熱帯地方を航行する際の温度上昇によって、激しく化学反応する可能性があることが分っています。国連番号2880の物質を40kg(正味)入りドラム432本にして、20フィートのコンテナに梱包したときの限界温度(激しい化学分解が生ずる温度)は、科学者の計算では約37℃とされています。国連番号2880の物質を200kg(正味)入りドラム80本にして、20フィートコンテナに梱包したときの限界温度は、約30℃と科学者は計算しています。激しい化学反応が起こるには、前記温度が少なくとも3週間継続する必要があり、より高い温度又は物質の精製度が低い場合には、この期間は相当程度短縮されます。


IMDG Codeによれば国連番号2880の物質は艙内積が可能だが、「継続して24時間以上55℃の高温にさらしてはならない」とされています。国連番号2880の水酸化HCHの熱に関する性質を調査した結果ではこの規定は不適当と思われ、国際P&Iグループは、あらゆる荷姿の高度サラシ粉の運送基準に関するIMDG Codeの全記載内容を再検討するようIMOに要求しています。


災害地域での清水の補給のために必要な重要物質であることと、IMDG Codeの見直しに時間がかかる状況に鑑み、国際P&Iグループでは高度サラシ粉の運送に関する暫定的推奨要領を作成しました。このガイドラインは、IMOがIMDG Codeを見直すまでの間も継続される高度サラシ粉の運送において、船舶と乗組員がさらされる危険度を軽減することを目的としています。


推奨要領


1.国連番号1748、2208、2880に分類される高度サラシ粉の貨物運送は、甲板積に限ることとし、直射日光を避け、居住区から離して積載する。 
 
2.国連番号1748、2208、2880に分類される高度サラシ粉の貨物運送は、正味45kgを超えないドラム詰めとし、高度サラシ粉を海上運送する場合は、袋詰めにはしない。
 
3.継続して平均気温が35℃を超えると予想される航海では、国連番号1748、2880に分類される高度サラシ粉を梱包したコンテナでは、コンテナ内部の温度を抑えるために、換気又は冷却などの手段を講じるか、もしくはコンテナ1個当り14トンを超えないように配慮する。 
 
4.国連番号1748、2208、2880に分類される高度サラシ粉の貨物運送は、20フィートより大きな輸送コンテナには積載しない。 
 
5.報告によれば、水分含有率が10%を超える水酸化HCHも生産されており、これは国連番号2880の高度サラシ粉の基準外物質となる。この物質は国連基準1479のOxidising Solid N.O.S.として分類されるものであり、運送の基準はより軽減される。調査によれば水分含有率が高くなることで、物質の熱の安定性が低下するので、国連番号1479に分類される高度サラシ粉は、国連番号2880の物質に要求されるものと同じ運送基準を採用するよう勧める。 

 


以上

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