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2011/11/30

第11-014号 第575回理事会結果のご報告

| by:sysadmin
第11-014号
2011年11月30日
組 合 員 各 位

第575回理事会結果のご報告



2011年11月30日(水)12時30分より、東京の海運クラブにおいて当組合の第575回理事会が開催されましたので、下記のとおり主要な決議内容をご報告申し上げます。


Ⅰ.はじめに

欧州債務問題を背景に世界経済の先行きへの不透明感が強まっております。海運市況もドライバルク、タンカー、コンテナなど何れの部門も急激に悪化し、歴史的な円高、燃料油高騰と相俟って、組合員各位を取り巻く経営環境は一段と厳しさを増しております。

当組合の現状を見てみますと、加入トン数は本年10月時点で内外航合わせて9,350万総トンとなり、期初より150万総トン増加しております。これも偏に組合員各位のご支援の賜物と感謝申し上げます。

一方、クレームに関しては、ここ数年保険成績の悪化が定着しつつあった内航船保険が、今保険年度に入り一転して良好に推移しているのに対し、外航船保険は2006保険年度から続くクレーム増加傾向に改善の兆しが見えず、正味支払保険金(含、国際P&Iグループ分担金)は高止まりのまま推移しております。特に2010保険年度は、当初想定したレベルを超え史上最高記録を更新中であり、東日本大震災に見舞われた2011保険年度も、決して楽観視できる状況にはありません。

現在当組合は、理事会の決議に基づき、2015年度までにフリーリザーブを200億円まで積み増すことを目指し、第2次財務基盤安定策(以下、安定策)を推進中ですが、上述の著しいクレーム悪化により、毎年実施しているGeneral Increaseは保険収支の均衡に費やされ、遺憾ながら安定策を目標どおり進めることができておりません。

斯かる状況を踏まえ、組合運営の安定性を高めるために、以下II.の1.及び2.に述べる諸策を講じることを決定致しました。冒頭申し上げましたとおり、組合員各位を取り巻く厳しい経営環境は十分に承知しておりますが、何卒格別のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

II. 理事会主要決定事項

1.財務基盤安定のための資金調達策

今理事会では、財務基盤安定のための資金調達策として、以下の選択肢が決議されました。

1) 劣後ローン


2011事業年度及びそれ以降において、格付け会社S&PのBBB格以上の評価を維持することを目的として、実質的な自己資本の増強を図るため、最大80億円を限度に劣後ローンによる資金調達(枠組み構築)を行う。

2) 2010保険年度予定外追加保険料


上記1)の劣後ローンに対する補完策、及び2011事業年度決算への対応策として、2010保険年度に関して、30%を上限とする予定外追加保険料の請求権を留保する。(下記2. 1)外航船保険 b.過年度追加保険料及び精算保険料 2010保険年度 ②徴収率「なお書き」ご参照)。


なお、2012年2月開催の第576回理事会において、今後の事業成績の推移及びS&Pの格付け評価を踏まえたうえで、以下をご審議願う予定です。

1) 劣後ローンの実行について

2) 2010保険年度予定外追加保険料の必要性について

3) 第2次財務基盤安定策の見直しについて

2.2012保険年度保険料率及び過年度追加保険料・精算保険料

各保険種目の来年度保険料率等については、以下のとおり決議されました。

1) 外航船保険


a.2012保険年度 保険料率



◆ 外航船保険の保険料率については3%のGeneral Increaseを行います。ただし、各組合員の保険成績による調整に加え、国際P&Iグループ再保険コスト(General Excess Loss Reinsurance Cost)に変動がある場合はそれに応じた調整を行います。




◆ 予想追加保険料率及び精算保険料率は、前払保険料に対しそれぞれ40%及び45%と致します。




◆ 米国領海及び排他的経済水域において、持続性重質油を貨物として積み又は揚げるタンカーについては、別途「米国航海割増保険料」のお支払いをお願い致します。



b.過年度 追加保険料及び精算保険料



2008保険年度



当初予想していた30%の追加保険料を2010年1月にお支払い頂いており、これ以上のご負担を願うことなくクローズすることと致します。




2009保険年度



①現況




当該保険年度の保険成績は、今後大幅変動はないものと見込まれます。



②微収率




当該保険年度の前払保険料に対して、当初予想していた40%の追加保険料を2011年1月にお支払い頂いており、その際下方修正した予想追加保険料率及び精算保険料率をそれぞれ0%及び5%のまま据え置くことと致します。




2010保険年度



①現況




過年度と比較して大型クレームが多数発生していること、加えて比較的高額なクレームが顕在化しているなど、保険成績は想定の範囲を超えて悪化しています。



②微収率




当該保険年度の前払い保険料に対して、当初予想していた40%のうち10%の追加保険料を2011年3月にお支払い頂いております。この度は、当初予想の残り30%の追加保険料を、2012年1月31日(火)を支払期日としてお支払い頂きます。





なお、当該保険年度の保険成績が予想よりも悪いことに鑑み、ご負担頂いた後の予想追加保険料率及び精算保険料率は、最悪の場合に備え、当面それぞれ最大30%及び35%に設定させて頂き、2011事業年度の決算予想等を踏まえたうえで、2012年2月22日開催予定の第576回理事会において、それぞれ0−30%及び5−35%の範囲内で決定させて頂きます(上記1. 2) 2010保険年度予定外追加保険料ご参照)。




2011保険年度



当該保険年度の予想追加保険料率及び精算保険料率は、40%及び45%のままで変更はありません。


2) 内航船保険


2012保険年度 保険料率


内航船保険の保険料率については、「甲」、「乙」及び「丙」の現行料率を据え置きます。


3) 用船者責任保険特約


2012保険年度 保険料率


用船者責任保険特約の保険料率についてはGeneralIncreaseを行いません。


4) FD&D特約


a.2012保険年度保険料率



◆ FD&D特約の保険料率についてはGeneral Increaseを行いません。



◆ 予想追加保険料率及び精算保険料率は、前払保険料に対しそれぞれ20%及び25%と致します。



b.過年度 追加保険料及び精算保険料



2008保険年度



当初予想していた20%の追加保険料を2011年1月にお支払い頂いており、これ以上のご負担を願うことなくクローズすることと致します。




2009保険年度



前年度に引続き受理クレーム件数は多いものの、現時点で追加保険料をご請求することなく、追加保険料予想追加保険料率及び精算保険料率は、それぞれ20%及び25%のまま据え置くことと致します。




2010保険年度



当該保険年度の予想追加保険料率及び精算保険料率は、それぞれ20%及び25%のまま据え置くことと致します。




2011保険年度



当該保険年度の予想追加保険料率及び精算保険料率は、それぞれ20%及び25%のままで変更ありません。

3. 保険契約規定一部変更の件

保険契約規定の一部を変更し、2012年2月20日より実施致します。


第8条(保険料の払込みを延滞した組合員に対する措置)第2項第4号(新設)

当該組合員及び当該フリートに属する全ての船舶に対する先取特権の行使を明文化する規定を設けて、未収保険料への対応力を強化します。


第29条(積荷に関する責任及び費用)第2項第3号

国際P&Iグループのプール協定の文言に合わせて、てん補対象外となるリスクを明確化します。


第36条(特別除外規定)第1項第9号(新設)

本年2月25日に制定された「制裁法対応特別条項」を保険契約規定に取り込みます。


第17条(堪航性等の確保)第5項

第37条(てん補責任の制限)第1項第3号

他の規定で用いられる用語と統一するもので、実質的な内容変更は伴いません。


なお、変更内容の詳細につきましては、2012年2月上旬に発行予定の特別回報にて改めてご案内申し上げます。

以 上


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