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2008/07/09

第08-006号 バンカー条約 − 条約証書/Blue Cardについて(2)

| by:sysadmin
第08-006号
2008年07月09日
外航組合員各位

バンカー条約 − 条約証書/Blue Cardについて(2)



首題に関し、2008年4月25日付P&I特別回報第08-001号「バンカー条約−条約証書要求、Blue Card発行、条約証書取得について」をご参照願います。

前記特別回報でご案内のとおり、「2001年の燃料油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約(バンカー条約)」は2008年11月21日に発効する予定(現時点での締約国は次ページご参照)であり、国際P&Iグループ(IG)加盟クラブは本条約の下で締約国が条約証書を発給するのに必要なBlue Cardを発行することを既に決定しております。本回報は、実務的観点から、条約証書発給及びBlue Card発行に関する現況をお知らせするものです。

1.バンカー条約証書

1)締約国籍船
バンカー条約締約国に国籍を有する船舶は、当該締約国から条約証書を取得する必要があります。この条約証書は、他の締約国に寄港する際、保険契約の有効性を証する書類として取り扱われます。条約証書は、下記2.に記載した要領によりP&Iクラブが発行するBlue Cardの提出と引き換えに、締約国が発給します。バンカー条約締約国籍船を所有する組合員各位は、条約証書取得に必要な申請方法を確認するため、当該締約国の関係当局へ連絡を取られるようご提言申し上げます。

2)非締約国籍船
バンカー条約締約国以外の国籍を有する船舶は、何れかのバンカー条約締約国から条約証書を取得しなければなりません。IG事務局はICS(国際海運会議所)とともに、非締約国籍船へ条約証書を発給する用意があるかその意思を確認するため、数多くの締約国関係者と接触する一方、本年3月と6月に開催されたIOPC Fund(国際油濁補償基金)会合には、非締約国籍船への対応の必要性を認識するようIGとして意見書を提出しました。しかしながら、締約国側は、膨大な数の条約証書を発給するのに伴う行政上の負担を理由として、自国に寄港しない限り、非締約国籍船への条約証書の発給には応じたくないとの姿勢を示しているのが現状です。

IGとICSは引き続き、各船舶が条約発効後に締約国に寄港する予定の有無にかかわらず、出来るだけ早く1,000総トン以上の全船舶に条約証書が交付されるよう締約国側へ働きかけて参ります。こうした協議の結果満足のいく成果が得られるまで、Blue Cardの宛先とすべき(条約証書の申請先となる)締約国が定まらないため、クラブは非締約国籍船についてBlue Cardを発行することができません。本件に関する進捗状況は、追って組合員各位にはご案内申し上げます。

2.Blue Card発行の準備

バンカー条約の規定に基づき、Blue Cardには以下の事項を記載する必要があります。
− 船名、船舶番号(または信号符字)、船籍港、IMO船舶登録番号、登録船主(船舶所有者)の氏名または名称及び主たる営業所の所在地

最終項目の所在地に関して、IG加盟クラブは法的見解を取り付けたうえで、組合員各位から別段の通知がない限り、登録された事務所の住所をBlue Cardに記載することに致しました。

条約の発効日が近づきつつありますので、組合員各位には、いつでも条約証書の申請手続きを開始できるよう予めご準備下さいますようお願い申し上げます。

3.「Blue Card発行依頼書」提出のお願い

組合員各位には、Blue Card発行に必要な情報を確認させていただくために、別便にて個別に「BlueCard発行依頼書」をご送付申し上げます。締約国籍船・非締約国籍船にかかわらず、Blue Cardを必要とされる方は、同依頼書に必要事項をご記入のうえ当組合連絡窓口までご返送願います。

「Blue Card発行依頼書」を受領後、締約国籍船から順次Blue Cardを発行し、組合員各位へご送付申し上げる予定にしております。

一方、非締約国籍船に関しては、条約証書の申請先となる締約国が決まり次第、Blue Cardをお届けすることとなります。どの締約国が非締約国籍船への条約証書の発給に応じるのか判明次第ご連絡申し上げますので、組合員各位には条約証書の申請先となる締約国を選択願い、そのご指示によりBlue Cardを発行する予定にしております。

4.戦争危険に関する条約証書上の責任の取り扱い

前便のP&I特別回報第08-001号にて、クラブは以下の条件によりBlue Cardを発行することをご説明申し上げました。

“ 条約証書上クラブが負う責任が戦争危険に関するものであった場合、組合員が付保しているP&I戦争危険カバーの下でてん補される金額、或いは組合員が標準的な戦争危険カバーを付保していればてん補されたであろう金額については、組合員はクラブに対して補償することとし、組合員が当該P&I戦争危険カバー上有する権利及び第三者に対する求償権をクラブに譲渡することについて同意することとする。そして、組合員からのBlue Card発行の依頼を以って、前記の同意がなされたものと看做す。”

よって、Blue Cardを必要とされる全ての組合員の皆様に、別途てん補限度額を設けたうえでP&I戦争危険カバー(注)を付保していることを確約していただくことが必要となります。また、P&I戦争危険保険者に対して、当該保険カバー上の請求権のクラブへの譲渡についてご通知下さいますよう併せてお願い申し上げます。

(注)本邦保険実務では、船舶戦争保険特別約款に、船主責任(P&I部分)について、追加担保特別条項を付帯するのが一般的である。

バンカー条約の締約国(2008年7月現在)

バハマ、ブルガリア、クロアチア、キプロス、エストニア、ドイツ、ギリシア、ハンガリー、ジャマイカ、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マーシャル諸島、ノルウェー、ポーランド、サモア、シエラレオネ、シンガポール、スロベニア、スペイン、トンガ、イギリス(全22カ国)

以 上


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