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2004/02/13

第03-015号 Standard & Poor’s社Marine Mutual Report 2004における当組合の評価について

| by:sysadmin
第03-015号
2004年02月13日
外航組合員各位


Standard & Poor’s社Marine Mutual Report 2004における当組合の評価について



この度、大手格付機関のStandard & Poor’s社(S&P社)より、2004年版Marine Mutual Report(対象決算期2002年度)がLloyd’s List紙の別冊という形で近日中に公表される見込です。この中でS&P社は当組合の格付け評価を見合わせ、「格付けせず(Not Rated=NR)」としております。


NRとした理由として同社は当組合が外部監査制を導入していないことを挙げており、当組合の財務状態の悪化によるものではないこととを明記しています。同社の格付けガイドによれば、NRは同社が保険者の財務安定性について意見がないことを表すとされています。今回のS&Pの格付け変更は、偏に同社の評価基準の変更によるものであり、同社も認めているように当組合の財務状況を反映したものではありません。


S&P社は、同社がP&Iクラブに対する新格付け手法を採用した1998年版以降一貫して当組合の格付けを財務安定性が限界的であることを示すBBpi(piは公表データに基づく無料の格付けであることを示す)としてきましたが、この間当組合は低い格付けにかかわらず、優良な組合員各位のご支援により、国際P&Iグループ(IG)の他のどのクラブに比べても堅実な運営を行い、大幅なGeneral Increase(GI)や予定外Supplementary Call(SC)の徴収に走ることなく、着実な成長を遂げてきました。1997年度末に48百万トン弱であった加入トン数は2002年度末には54百万トンを超え、同期間の異常危険準備金残高は55億円から89億円へと積み上がっています。


今般同社は「外部監査制の欠如」のみを理由として、当組合の格付けを取り止めましたが、当組合が外部監査を採用していないのは、以下のとおり組合法の下でその必要性がなかったからです。

  1. 当組合は営利を目的とする商法上の会社でなく、船主相互保険組合法(組合法)に基づき設立された法人であり、組合法は外部監査でなく組合員総会で選任された監事による監査を規定していること。
  2. 当組合の活動は組合法で制限されており、営利会社に比べ堅実な運営を求められていること。
  3. 当組合は、監督官庁である金融庁の厳格な監督に服していること。
  4. 当組合の監事は組合法の規定にしたがい、独立して慎重な監査を実施していること。また、決算案は事前に運営委員会の綿密な審査を経ていること。さらに外部の適格な会計士をコンサルタントとし、必要に応じ意見を徴していること。

しかしながら、格付けを巡るS&P社との協議を経る過程で、組合運営に関する有用な示唆が得られたことも事実です。その一つは時代の要請に即した財務体力強化の必要性の認識であり、二つ目は外部監査を経ない団体に対しては公表資料のみに基づく格付けを差し控えるというS&P社の新たな方針が確認できたことです。当組合として財務基盤強化と開示数値の透明性の促進についてはなんら否定するものではなく、現在の経済社会において格付けが果たしている一定の機能を評価しないものでもありません。今後外部監査の導入についての検討も含め、適切な情報開示の促進に努めていきたいと考えております。


繰り返しになりますが、今回のS&P社の格付け取り止めは、単純に同社の実務基準の変更によるものであり、当組合の財務状況の悪化を意味するものでは一切ありません。当組合の財務基盤は着実に強化されており、さらに中期運営計画に基づく目標に向かって鋭意努力をしているところです。
組合員各位におかれましては、どうぞご心配なく従前同様のご高配を賜りますようお願い申し上げます。

以 上


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