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2001/04/02

第01-001号 ニューヨーク短縮仲裁のご案内

| by:sysadmin
第01-001号
2001年04月02日
外航組合員各位

ニューヨーク短縮仲裁のご案内

Shortened Arbitration Procedure



現地弁護士より次のような報告がありましたのでお知らせ致します。
We have received following information from New York lawyers.

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「添付したLloyd's Listの最近の記事には、海事仲裁人協会の短縮仲裁手続の変更について書かれています。改定後の短縮仲裁手続規則も合わせて添付します。この手続は2001年3月1日以降に締結される契約の条件に取り入れて利用することができます。また傭船契約書中で合意することにより利用を義務付けることもできます。しかし傭船契約書中で合意していない場合でも、また契約が2001年3月1日以前に締結されたものであっても、当事者がこの短縮仲裁の選択を希望すれば利用することができます。

船主及び傭船者がこの手続の利用を希望するのは、少額で簡単な係争になると思われます。ただしその係争は簡単かつ少額である必要はなく、係争金額が高額な場合でも、例えば傭船契約の条項の解釈など争点が複雑でなければ利用が可能です。傭船契約書中でニューヨーク仲裁条項に同意している場合には、短縮仲裁手続の利用を可能な文言にするよう組合員に勧めてはいかが。

添付 1) Lloyd's List記事
2) 短縮仲裁手続規則


<Lloyd's List記事 : 海事仲裁人協会は短縮仲裁手続を合理化>

ニューヨークの海事仲裁人協会(SMA)は短縮仲裁手続を改め、仲裁人指名を1名とし、また口頭審理を省略した。SMAの短縮仲裁手続は、利用が少なかった簡易仲裁手続の代わりとして1989年1月に採用された。この手続は、本来の仲裁を必要としないような少額で簡単な争いの解決のため、簡潔で安価な方法の提供を目的としている。この手続の採用後、ロンドン海事仲裁人協会(LMAA)でも独自の少額クレーム手続を採用した。

SMAの短縮手続が最近改定されたのは1991年である。LMAAの少額クレーム手続も既に何度も改定されている。短縮手続は広く利用されてきているが、ニューヨーク仲裁人によれば、SMAのこの仲裁手続に持ち込まれる多くの係争が、当初意図したものよりはるかに高額で複雑であるとのこと。興味深いことには、短縮手続のこのような誤った利用はニューヨーク仲裁ばかりでなく、LMAAの仲裁人も、簡単でもなく少額でもないクレームがLMAAの少額クレーム手続による仲裁に付されていることに不満を表明している。

改定後の短縮仲裁手続は3月1日から有効となり、仲裁人の指名を1名とし、口頭審理を省略し、仲裁人の選任方法についても言及している。手続規則では当事者から提出できるものをクレーム、抗弁、カウンタークレーム、及び回答に限定している。また仲裁人による合理的な修正は考えられるものの、係争項目は4つ以内とされており、さらに仲裁人が必要と認める場合を除きディスカバリー手続が省略されている。

裁定は以前と同様、最終回答から、又は仲裁人が手続き終了宣言を行なってから30日以内となっている。手続費用は$2,500を上限として裁定に含めることができる。仲裁人の費用は$1,000から最高$1,500に引上げられたが、この緩やかな引上げでは、仲裁人を1名としたことで相殺してもお釣がくるものであろう。

新たに改定された手続の全文はSMAのweb site : [http://www.smany.org]又は下記SMA事務所で入手可能である。
住所:14 Wall Street, Suit 8A15, New York, NY10005
電話:212-587-0033
ファックス:212-587-6179
SMA代表:Lucienne Carasso Bulow
<規則>
海事仲裁人協会制定短縮仲裁手続規則
(2001年3月1日以降に締結された契約に適用)


仲裁条項への追加
「別途規定されている場合を除き、当事者のクレーム金額がUS$( )を超えない場合、係争はニューヨーク海事仲裁人協会の添付現行手続規則のもとでの短縮仲裁手続による。」

短縮仲裁手続規則
  1. 当該規則のもとでクレーム通知を行なった場合申立人は、SMA名簿から仲裁人1名を選任し、同時に 被申立人に対し同意を求める。この選任に対して被申立人から10日以内に回答がなければ、その仲裁 人が正式な単独仲裁人となる。仲裁人はSMA標準規則第9条に従い、速やかに案内状を当事者に発送 する。
  2. 被申立人が、選任仲裁人を単独仲裁人とすることに同意しない場合には、被申立人は単独仲裁人の候補 としてSMA名簿から別途3名を選んで提案する。単独仲裁人の選任について合意できない場合には、 当事者のどちらかはSMA代表に単独仲裁人の選任を依頼することができる。この場合の選任は当事者を 拘束する。
  3. 選任されてから15日以内に仲裁人は、申立人に対し全ての立証書類を添えたクレーム申立書の提出の ための予定を書面で作成する。被申立人は申立人提出のものを受領してから20日以内に回答を提出 する。その際もしあれば立証書類を添付したカウンタークレームを提出する。カウンタークレームに 対する申立人側回答は、受領から20日以内とする。仲裁人は自由裁量により、予定を数日間単位で変更 することができ、継続して又は同時並行的に相手側の抗弁に対する簡潔な回答を認めることができる。
  4. 仲裁は立証書類によってのみ行なわれる。
  5. 仲裁人が必要と判断する場合を除いて、デポジションは行なわない。
  6. 本手続において両当事者から提出される係争は4項目以内とし、係争金額の総額は契約の中で合意した 金額を超えないものとする。仲裁人は自由裁量により、この限度額を合理的な範囲で修正することが できる。
  7. 当事者は弁護士による代理が認められる。係争費用及び当事者が仲裁提起及び抗弁のために要した出費 は、$2,500を限度として裁定に含めることができる。
  8. 裁定は最終回答受領後、又は仲裁人の自由裁量による手続終了から30日以内に出される。
  9. 仲裁人の費用は$1,500を超えない。

以上


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