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2016/06/17

P&I特別回報 第16-008号 2016年7月1日以降実入りコンテナ総重量申告の義務化について

| by:業務部編集用

印刷用:No.16-008(J).pdf

第16-008号

2016年6月17日

 

外航組合員各位

 

2016年7月1日以降実入りコンテナ総重量申告の義務化について

 

1.      はじめに

 

SOLAS条約の規定VI/2が改定され、2016年7月1日より実入りコンテナの総重量の申告(以下”VGM"という、”VGM” = Verification of the gross mass ofpacked containers)が義務化されました。

 

改定箇所は以下より確認できます。

http://www.worldshipping.org/industry-issues/safety/SOLAS_CHAPTER_VI_Regulation_2_Paragraphs_4-6.pdf

 

 

2.      改正SOLAS条約の適用範囲

 

改正SOLAS条約は、近距離の国際輸送に従事するRO/RO船には適用されません(SOLAS規則III/2をご参照)。RO/ROとは、輸送方法として、コンテナがシャーシやトレーラーの上に載せられ、シャーシやトレーラーごと船舶に積込まれたり、船舶から荷揚げされたりする場合のことで、それ以外の場合に改正SOLAS条約が適用となります。

 

 

3.      改正SOLAS条約上の要求事項

 

  • VGMは最初の船積港で入手されなければなりません。
  • VGMは正確でなければなりません。
  • 荷送人は、その正式な署名権者の署名のある船積書類の中にVGMを記載し、船長もしくはその代理人とターミナルの代理人に提出しなければなりません。
  • VGM情報を遣り取りする方法については関係者間で確立しておく必要があります。
  • 本船積付図の作成段階の前までにVGMは提出されなければなりません。よって、提供方法は(署名のある)電子媒体でも構いません。
  • VGMの提出が実入りコンテナの本船積載の前提条件となっています。

 

 

4.      運送人の義務

 

  • 運送人はVGMの通知期限につき関係者に連絡しておく必要があります。
  • 運送人はターミナルがVGMを受領できるよう手配しなければなりません。
  • 運送人は現地事務所、現地代理店、船長、士官や部員に対して以下の点に注意するよう指導する必要があります。

(a)    本船積付図を作成する際にはVGMを参照しなければなりません。

(b)    VGMの提供がない場合には、当該コンテナを本船に積載してはいけません。
  • VGMの提供のないコンテナを受領したら、船長は遅滞なく船主や船舶管理会社の指示を仰ぐ必要があります。

 

5.      営業的な問題

 

VGMの申告のないコンテナがターミナルに搬入されたら、ターミナルは運送人に対し重量計測費用と保管費用とを支払うよう要求できます。よって(荷送人やターミナルとのトラブルを避けるため)、運送人はそれらの費用の請求に対する保護条項を運送契約書(CPとB/Lの両方)に摂取しておくべきでしょう。Booking NoteやBooking Confirmationにも同様な条項を取り込んでおくべきです。コンテナがターミナルに搬入される前にB/Lが発行されていることはありえないからです。

 

 

6.      2016年7月1日以前に積載されたコンテナと、その後トランシップされた場合の要件

 

IMOの海事安全委員会は、施行に当り執行機関に対し、2016年9月30日までは現実的で実務的な対応をするよう提案しました。3ヶ月も経過すれば2016年7月1日以前に積載された貨物が最終目的地に到達すると考えられるからです。しかし、組合員は(改正に伴う)新しい手続をできるだけ早期に実施する必要があります。そうすることで、トランシップコンテナに関する難題解決に役立ちます。

 

 

7.      船長の裁量

 

荷送人がVGMを提供したからといって、当該コンテナが必ず船舶に積載されるわけではありません。船長には当該実入りコンテナを積載するのかしないのかを決定する裁量権があります。

 

 

8.      制裁・罰金

 

過怠金やその他の罰金については各国の法律に基づき課されることになります。締約国の執行機関やPort State Controlは取締りのため、書類のチェックや、監査、またはランダムな重量計測を行います。彼らにはそれぞれの国の国内法に基づき過怠金やその他のペナルティを課すかどうかの裁量権があります。ゆえに、組合員は2016年7月1日に備え、書類上、手続上のおけるあらゆる対応をしておかなければなりません。

営業上のペナルティとしては、再梱包費用、書類を修正する際の事務管理費用、滞船料、船積の遅延やキャンセルが予想されます。

 

 

参考情報

IMOガイドライン

IMO サーキュラーレター

 

以上

 


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